懐かしの机

ヤッキムン

小学4年生

ボクは小学4年生。文女と書いて、あやめ。

ピンク色好き。ピンクのランドセルで学校に行く。

みんなから女子のように思われてる。


5、6年生の女子に

「あやめっち女の子みたいで可愛い」

って廊下でも校庭でも抱きつかれる。


妹は小2。妹の友達と小学校で会っても、みんなボクのことお姉ちゃんだと思ってる。

家に遊びに来た妹の友達もボクをお姉ちゃんだと思ってる。だから妹もボクのこと

「お姉ちゃんのあやめっち」

って紹介してる。


4年生の夏休みも終わった最初の登校日のこと。

可愛い女の子の転校生。ボクらの教室にやって来た。

栗林葉ちゃん。


「あやめっち、栗林さんの新しい机を教室まで運んできてあげて!」

って先生に言われた。


ボクは、使っていない机を置いてある教室に取りに行った。ボクの教室から、すぐの所にある。そして栗林さんのために机とイスを教室まで運んだ。


「あやめっちの横ちょうど空いてるから、栗林さんの席にして!」

って先生に言われた。

「ハ~イ」

ボクの席の横に新しい机とイスを置いて、栗林さんの席にしてあげた。

「ありがとう」

葉ちゃんはボクに微笑んでくれた。

前にも会ったような気して、ボクは紅葉みたいに紅くなっちゃった。


葉ちゃんは走るの、めっちゃ速い。

本当に飛んでいるかのように走る。

背中に羽はえてて、その羽で飛んでるみたい。


体育の授業で短距離をやったりリレーをやったりしても誰よりも速く走る。

ボクは今までクラスで1番速かったのに、葉ちゃんは、そのはるか上をいく速さ。


運動会では、ボクも葉ちゃんもクラス対抗リレーの選手となった。

男女混合で、いつもはアンカーはボクだった。

だけど今年は、いちばん走るの速いのは葉ちゃんだったから、アンカーで走るのは葉ちゃんになった。

ボクはアンカーの前を走って、葉ちゃんにバトンを渡す役になった。


運動会当日のリレー。

ボクの前を走る子らは大接戦になっていた。

ボクもバトンをもらって走りはじめて、大接戦の中で葉ちゃんにバトンを渡した。

葉ちゃんは、みるみる他のクラスの子に差をつけて、トップでゴールした!





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