the way to the river

 そうして朝を迎えたときに、鳥の声が奏でられたら、鳥の声が奏でられたら、鳥の声が、かなでられたら……、そうして朝を迎えた朝には、ただそこに朝があって、あたしは自然な涙を流してもいて、ただ、夜が明けたから、ただ、そうして泣いていたのでしょう、ね? ただ、そうして迎えた朝を迎えていたのね。ただ、夜が告げていたいろいろな声を、聞き逃すことなしに、朝を迎えた朝なら、そうしたすべての声を抑えて、あたしは、ただ泣いていたのかもしれないわ。おさかなが、きっと、池の水のなかから空気に跳ねて、その水音はあたしに聞こえなくっても、きっと、どこかで聞こえていた……

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