neither

 言われなくても分かっていたって、そう言われたから分かったのに、言われずに良いようなことも繰り返して、弾くものを弾きすぎるようにひきずってく……、だからここで断ち切って、鏡を割ったあとでうずくまって、いつだったか、その、かけら、探していた。ちいさく、くだけて、どこにあるの? どこにいるの? なにをしているの? ……そんなふうにいま、ショーウィンドーの鏡にも、向きあって、にやって、微笑しているの。どこまでが、わたしで、どこまでがアナタなのか、近づく境界をたしかめながら、そっと、手のひらだけガラスに圧しつけて、……わたし? ここで見ているの。ここで泣いているの。ここで、とっても悔しくって、だから、蔑まれるような顔をさらして、うっすらと笑ってみせる……。明日からピアノを弾くわ、ヴァイオリンでもいいし、わたしでもいい。曇り日のお日さま、どうしたって遮断されているんだもの、雪壁のようにたちふさがる……わたし。だからラメ買ってく。。

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