②従妹が天才ピアニスト(可愛い)なので、俺の唯一の存在意義は「彼女を甘やかすこと」です

軽井広💞キミの理想のメイドになる!12\

プロット

◯参考作品

『true tears (アニメ)』、『のだめカンタービレ』


◯世界観

 現代日本(名古屋市)。主人公&ヒロインの従兄妹の二人暮らしの家と、彼と彼女が通う中高一貫校が主な舞台。



◯主要キャラクター

・冬見一樹

 高校一年生の少年。裕福な家の息子で、母親は有名ピアニストだが、両親は家にあまり帰ってこない。

 進学校の中高一貫校に通う。容姿に優れ、頭も良くスポーツも得意で、実は女子からはモテるが、自己肯定感が低い。

 母の影響で幼い頃からピアニストを目指していたが、従妹の二葉の天賦の才を目にして、挫折する。それ以来、二葉に強いコンプレックスと憧れを持っている。二葉を妬み、羨ましいと思いながらも、二葉のことは大事な家族だと思っている。生活力皆無の二葉に頼られ依存されることが、最大の喜び。


 セリフイメージ:「二葉は俺のほしいものをすべて持ってる。その二葉が俺を必要としてくれるなら、俺は他には何もいらないよ」


・秋乃二葉

 中学三年生。天才美少女ピアニストとして知られ、同業者や評論家から高く評価されている。加えて、清楚でアイドルのような可憐な容姿の影響で、一般人からの人気も高い。

 ピアノを弾く以外のことは苦手なことが多く、内気で人付き合いは下手。生活能力も低い。

 両親を事故で失い、母方の冬見家に引き取られている。同居する従兄の一樹を実の兄のように慕い、依存している。

 だが、自分の才能のせいで、一樹のピアニストになるという夢を壊したことに気づき、それ以来、一樹に素直に甘えられなくなってしまった。内心では一樹が大好きで、一樹を奪われそうになると手段を選ばず、自分を傷つけることも厭わない。


 セリフイメージ:「一樹くんはわたしのもので、わたしは一樹くんのものです。わたしにとって、一樹くんは家族で、片思いの相手で、たった一人の信頼できる人ですから」


・夏城楓

 高校一年生。ギャルっぽい見た目の美少女で、クラスでは少し浮いている。実は成績優秀だが、いつも一樹の後塵を拝して、クラスで成績は二番。

 一樹のことをライバル視するうちに一樹のことを好きになる。一方、二葉に依存する一樹を否定し、一樹は一樹自身で価値があると主張する。一樹と二葉の共依存関係を歪なものだと考え、二人の関係を解消させようとする挑戦者。


 セリフイメージ:「あたしは一樹のこと、好きだよ。でも、あたしが好きなのは、二葉ちゃんの好きな一樹とは違うと思うの」



◯物語構成

全4章×25,000字=10万字強の想定です。


・1章

 高校一年生の冬見一樹には、同居する従妹・二葉がいる。一樹は二葉とぎくしゃくした仲で、彼女に嫌われていると思っていた。


 二葉は天才ピアニストとして、全国的に名前の知られた存在だった。一方、一樹は成績優秀で何でも卒なくこなせる優等生だが、これといった特技はなかった。


 けれど、一樹も実は母が有名ピアニストで、幼い頃はピアノの秀才として期待されていたのだ。


 それが変わったのは、数年前。二葉が小学三年生のときに両親を事故で失い、一樹の家に引き取られたのがきっかけだった。


 一樹は二葉のピアノの才能を見て、とても敵わないと思い、そして母が本当は二葉に期待していることを知り、絶望する。

 

 一樹は二葉に強い劣等感を抱え、追いつこうと必死に努力するが、差は開くばかり。ついに中学一年生のときにピアノを弾くのを辞めてしまう。


 もともと一樹と二葉は本当の兄妹のように仲が良かった。けれど、一樹の挫折の半年後、二葉が「どうして一樹くんはピアノを弾くのをやめたのですか?」と悪気なく尋ねたのに、一樹は「二葉のせいだ」と怒鳴り、恨みの言葉を吐く。


 それ以来、二人の仲はぎくしゃくしてしまった。一樹は二葉にひどいことを言ったのを後悔し、一方、二葉も自分が一樹を追い込んだと苦しんでいた。


 両親は仕事が忙しく、また不仲なせいで、家にはあまりいない。必然的に一樹と二葉はほぼ二人暮らしになっていて、本心を言えないまま家族として暮らしていた。


 そして、ピアニストとして多忙な二葉の代わりに、一樹がほぼすべての家事を行い、二葉の世話を焼いている。


 一樹はそれなりに優秀なのに、ピアノに挫折したせいで何をやっても自信がなかった。ただ、自分の望むすべてを持っている二葉の世話を焼くことで、かろうじて自分の存在意義を見出だせた。


 二葉も本心では、優しい一樹のことが好きだった。両親がいない今、一樹は自分のたった一人の家族だった。そして、天才ピアニストとしての孤独や苦しみを理解してくれるのも一樹だけだった。


 だから、二葉は一樹に世話されるのに依存していた。二葉は生活能力が低く、加えて内向的な性格で、学校では孤立していた、だから、ますます一樹を頼るようになっている。けれど、過去の経緯があるから、一樹に思う存分甘えることができない。


 二人は互いに相手のことを好ましく思い、依存しているのに、そのことを認めることができなかった。そんな二人の関係は、一樹に好意を持つ美少女・夏城楓が現れることで変わっていく。


・2章


 夏城楓は、クラスメイトのギャルっぽい美少女で、一樹と隣の席になる。楓は実は成績優秀だが、一樹には一歩及ばなかった。楓はそんな一樹に対抗心を抱き、興味を持つ。「冬見って、頭もいいし、けっこうかっこいいよね」なんて言って、楓は一樹にぐいぐいと迫る。


 だが、一樹は自己肯定感が低く、楓が自分に興味を持つのになにか裏があるのではないかと疑っていた。

 

 家に帰ると、二葉は、「一樹くんが女の子と仲良くしているのを見ました」と言って不機嫌そうにする。二葉は一樹と同じ学校の中等部の三年生だったので、校内で見られていたのだ。一樹が「ヤキモチ焼いてるの?」と聞くと、「そんなわけないです! 一樹くんのバカ!」と怒られてしまう。


 いつもどおり一樹が二葉のお世話をして、二人の時間を過ごす。だが、二葉はいつになくそわそわしていて、珍しく一樹の世話に「ありがとうございます……」と礼を言う。


 その後も、楓からの攻勢は止まらず、一樹はたじたじになる。ある日の放課後、一樹は楓に強引にゲームセンターへ連れ出され、「放課後デートだね」とからかわれる。


 「従妹が心配するから、早く帰らないと」と一樹は言うが、楓は「いつも従妹の子の面倒を見ているんだから、たまには息を抜いてもいいんじゃない?」と遅く帰ることを提案する。

 そして、「あたしと遊ぶの楽しくない?」と楓は寂しそうに、甘えるように言う。一樹は困惑して、「そういうわけじゃないけど、俺は……二葉を支えることが存在意義だから」と答える。


 楓は首を横に振り、何かを言いかけるが、そこに二葉が現れる。二葉は激しい嫉妬で顔を真っ赤にしていて、そして、突然、一樹に抱きつく。


 呆然とする楓を横目に、「一樹くんは私のものですから!」と宣言する。そして、二葉は一樹に、一緒に帰ってくれるように懇願する。

 それは楓を置き去りにするということだったが、一樹は従ってしまった。一樹にとって、二葉こそが自分の存在意義を与えてくれる存在なのだから。


・3章


 二葉は「わたしは一樹くんがいないとダメなんです。だから……見捨てないで!」と泣きながら懇願した。

 一樹は、二葉を自分に依存させてしまったことに改めて気がつく。そして、二葉を依存させ二葉に必要とされることで、一樹自身の存在価値を確かめるのは、エゴなのではないかと思ってしまう。


 もしかすると、一樹がいなければ、二葉はもっと明るい表情をして、生活を送れるのではないか。

 

 そんなことを考えていた翌日。楓が狭い特別教室に二人きりで一樹を呼び出す。楓を置き去りにしたことで、楓に嫌われたかと一樹は思っていた。


 けれど、楓はそれを否定する。そして、「一樹のことが好き」と告白する。「二葉ちゃんがいなくても、一樹は一樹自身に価値があるよ。あたしが認めてあげる。依存なんてする必要ない」と楓は必死で訴えた。


 その言葉に、一樹は動揺する。そして、楓と付き合うと一樹は言ってしまった。そうすることが、二葉を解放することに繋がり、そして、一樹自身の価値を取り戻すことにつながると信じて。


 楓は「やった!」と大喜びする。そして、「君はあたしのものだね」とも言う。


4章

 家に帰ると、二葉がうつろな表情で、焦点の合わない目で、一樹を出迎える。二葉はこっそり一樹たちをストーカーして、一連の会話を聞いてしまったらしい。


 二葉を見捨てるつもりはない、という一樹に、二葉は「嘘つき!」と言う。「わたしには一樹くんしかいなかったのに! 本当は、一樹くんは……ピアノを奪ったわたしのことが大嫌いなんでしょう?」。


 一樹は「本当は二葉のことが大事だ」と言おうとする。けれど、一樹はためらってしまい、言えなかった。そうすれば、また元の依存状態に戻るだけだ。


 けれど、二葉は突然、制服の上着を脱ぎだす。そして、「私って可愛いと思うんです。だから、一樹くんに必要とされる価値もあるかもしれません……」と言って一樹にキスするように迫る。


 一樹は従妹に手を出すわけないと拒絶する。少なくとも、二葉を傷つけるような形で、一樹は二葉になにかするつもりがあるはずもなかった。


 けれど、二葉はそれを拒絶と受け取ったようだった。二葉は、手近にあったカッターを手に取り、「一樹くんが必要としてくれないなら、わたし、ピアノなんていらないんです」と語り、自分の指を切ろうとする。


 一樹は追い詰められ、混乱したまま、二葉の行動を止めるために、その唇にキスをしてしまう。二葉は嬉しそうな、けれど暗い笑みを浮かべた。


「やっぱり、一樹くんはわたしのものですね」と。


 それから一週間後。一樹は学校では楓と付き合いながらも、家では二葉に依存される生活を送ることになる。一緒に風呂に入ったり添い寝する……など二葉の依存はますますエスカレートしていた。そして、一樹は、自分のほしかったものすべてを持っている二葉に必要とされ、求められる生活に背徳的な喜びを感じるのだった。


(以下、楓と付き合いながら、二葉に依存する、という三角関係の対立軸で2巻以降につながります。物語全体としては最終的には、一樹が二葉との共依存関係を好ましいものへ発展(自立した個人として互いを好きになる)させ、楓との交際を解消して二葉を選ぶ……という展開になる想定です)

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