平成文学と言うものは確かに存在した ―文学は死んでなどいない。変質したのだ。
らんた
平成文学と言うものは確かに存在した ―文学は死んでなどいない。変質したのだ。
平成時代というものの「文学史」を見てほしい。
見事に空白である。「純文学の危機」が叫ばれ、「文学は死んだ」とも言われている。
1989年 『キッチン』
1990年 『文学部唯野教授』
1991年 『トラッシュ』
1992年 『火車』
1995年 『ヒロシマ・ノート』
1997年 『失楽園』、『平成三十年』
1999年 『
2003年 『蹴りたい背中』、『博士の愛した数式』
2005年 『空飛ぶタイヤ』
2008年 『ポトスライムの舟』
2009年 『1Q84』
2010年 『苦役列車』
2015年 『火花』
2016年 『コンビニ人間』
2018年 『ニムロッド』
どうだろう?この中で後世に残せるものがあるだろうか。私は『空飛ぶタイヤ』と『平成三十年』は確実に警告として後世に残すべきと考えるが。あとはせいぜい『火車』ぐらいだろう。
そもそも今の人は『キッチン』を読んでるのかすら怪しい。『鉄道員』とか『失楽園』なんて歴史のかなたでは?『蹴りたい背中』、『ポトスライムの舟』ですら歴史のかなたでは?たぶん『火花』も今は読まれていない。
違うんだ。たぶんこれは『ライトノベル』を削ってるからそういう風に見えるんだ。本当の平成文学史というものはこういう風に作られるべきじゃないし、いい加減に文壇においてもラノベを認めさせるべきだ。読まれない大衆文学・読まれない純文学などというものはもう文学失格である。
そうでしょう?
本当はこう教えるべきだ
1989年 『キッチン』、『フォーチュン・クエスト』
1990年 『文学部唯野教授』、『スレイヤーズ』
1991年 『トラッシュ』、『ロードス島戦記』
1992年 『火車』、『十二国記』
1994年 『魔術士オーフェン』
1995年 『ヒロシマ・ノート』
1996年 『クリスタニア』
1997年 『失楽園』、『平成三十年』、『ブラックロッド』
1998年 『マリア様がみてる』
1999年 『
2000年 『キノの旅』
2002年 『灼眼のシャナ』
2003年 『蹴りたい背中』、『博士の愛した数式』、『涼宮ハルヒの憂鬱』
2004年 『とある魔術の禁書目録』
2005年 『空飛ぶタイヤ』
2006年 『狼と香辛料』
2008年 『ポトスライムの舟』
2009年 『1Q84』、『ソードアート・オンライン』
2010年 『苦役列車』
2013年 『安達としまむら』、『転生したらスライムだった件』
2014年 『Re:ゼロから始める異世界生活』
2015年 『火花』、『君の膵臓をたべたい』
2016年 『コンビニ人間』
2018年 『ニムロッド』
(2019年以降は「令和文学」となる:1989年は「平成文学」とみなす)
だろ?
大衆文学なんかよりもラノベは売れたはずだ。
1位 とある魔術の禁書目録:3100万部
2位 転生したらスライムだった件:3000万部
3位 ソードアート・オンライン:2600万部
4位 魔法科高校の劣等生:2200万部
5位 涼宮ハルヒシリーズ:2000万部
5位 スレイヤーズ:2000万部
これだけ見てもいかに文壇というものがラノベを差別しており、それでいてラノベと言う存在に負けて来たかの何よりの証ではないのか。特になろう発の『転生したらスライムだった件』がそうだ。
つまり平成文学の最大の特徴は「ライトノベル」にあったのではないか。既に『安達としまむら』に至っては東海大の現代文入試の常連になってる。もう大学入試に出すくらいのラノベが存在してるのだからもういい加減に文壇と言う世界はラノベを認めたらどうなんだ。
<平成文学の特徴>
1:ゲーム文学
昭和の末期にファミコンが誕生し、それがきっかけで1990年に「ライトノベル」というジャンルが確立した。『フォーチュン・クエスト』がその道を開いたと言える。一方TRPGの流れから『ロードス島戦記』と言う名作も生まれた。
2:ラノベはジュブナイルから大人全体へと対象が変化した。
ラノベ=オタクとかラノベ=ゲーマーという構図は崩れた。
3:大衆文学・純文学の衰退
「文学が死んだ」のではなく大衆文学・純文学が衰退したのであって、別のジャンルに主軸が移行したのだ。そういう意味では『南総里見八犬伝』に代表される読本文学の時代に回帰したという意味でもある。我が国は堅苦しい=文学という間違った構図を130年の時を経て打ち破ったのだ。文学こそエンターテインメントなのだと。
4:ライト文芸と言うジャンルの誕生
大衆文芸とライトノベルの中間に位置するジャンルを『君の膵臓をたべたい』が確立させた。これも「なろう」発である。
5:ライト・ポルノ・ノベル化
これはラノベの悪影響である。2002年頃から二次元ポルノにシフトしてしてしまい中核となる読者層が逃げ出してしまった。ライト・ポルノ・ノベル化を嫌った作者はライト文芸ジャンルに逃げる事となった。
したがって文学は死んでなどいない。そのように我が国の国語教育は教えるべきだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます