第06話 維新電神と維新公園で

維新の志士は、疲労により病床

「……と、言う訳で、GUESTは隣県の維新電神だ」

I・SHIN DEN・SHINは長州藩を彷彿とさせるようなBANDで

コロナ禍にも関わらず、私達のデビューを後押ししてくれるらしい。

「11月に野外FESですか?」

「ああ、維新百年記念公園を押さえてある。

いわゆる維新公園にはビッグシェルって言う野外音楽堂があるんだ」

密閉の心配は無し、か。パンデミック・ウィルスよ、鎮まれ!

「午後2時開演予定だ。取り敢えずお前たちは、日々輝先生の

楽曲を全力でパフォーマンスしてくれ」

私達に託された「RECYCLE WORLD」で

華々しいデビューを飾る。人生設計は眩い程に輝いていた。


「維新電神のNew Album、買っちゃう?

香水少女の経費で落としちゃおうよ!」

可愛い顔してえげつないことを言うリーダーの今日子。

「私等もう21歳だよ? CD位自分で買おう?」

今日子をたしなめる美嘉、同意する私。

「同じの3枚買う必要は無いから、手分けして

維新電神をコンプリートしよう」

今度の今日子の意見には賛同!

こう言う時、三人寄れば文殊の知恵、だよね!

……ちょっと、違うかあ?

まあ、いいや。とにかく、今から買いに行こう。

「松陰矢の如し/松下村に生まれて」

山口県の、それこそ維新公園の野外音楽堂で

手売りされた伝説の一枚。完全自主制作盤。

この頃から神の片鱗が見え隠れ。

「志が高過ぎて新作披露/心なしか高杉晋作、疲労」は、

維新志士の高杉晋作さんをもじったタイトルだけど

内容はめちゃくちゃ真面目なエモーショナル・ロック。

言葉遊びに留まらない音楽性の追求に注目!

11月の野外FES。でもM-1グランプリの敗者復活戦も

そう言う環境下だったような。

逆境に喘ぐな、下積みは誰もが味わう鬼門のようなもの。

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