第05話 もう騙すのは嫌だけど

事情を聴取したくノ一

「芦子、その後、マッチングアプリはどうなのよ?」

莉子に詰め寄られる。

「通話がね、出来てないのよ。着信残しても出てくんないの」

「色々事情がありそうだけど、焦ることないさあ」


【こうが】的に電話はNG、だって女子ってバレるもん。

【しまこ】はバンバン動画を打って来る。

スコティッシュフォールドの名前は「きなこ」って言うらしい。

美幸の自宅で飼ってる愛猫の名前は「サスケ」

奇しくも「きなこ」がメスで「サスケ」がオスと言う関係性。


美幸が沖縄本部から知り得た情報……

01:美ら海学院大学は鳥人間コンテストへの参加を表明しているらしいこと。

02:DOPING PUMPは同性のBuddyを捜していること。

=マッチングアプリの有効活用。異性の振りをして近づく。

03:PROMISE SPEEDはBuddyを捜していないこと。

04:水塚青咲と言うサウンドクリエイターの参戦。

=MIZUKA SEISAKUと読む。

=音楽プロデューサー日々輝海堂の後押し。

05:ライバル校の練馬区カモメ第三ユニバーシティとの競合。

=野火ロイター、井園カッツォの母校。

=東京の私立大学。鳥人間コンテスト間接参加表明。


【しまこ】から聴取出来た大まかな情報はこんな感じ。

アクターズスクール広島に男子生徒は居ないので

DOPING PUMPから言い寄られたと言う話は聞かない。

アクターズスクール広島は、言わば女子高のような立ち位置だ。

【しまこ】は美ら海学院大学の生徒(3年生)で

鳥人間コンテストに関心があると(SNSで)話してくれた。

少年の声だと誤魔化しながらも、一度、肉声で話すべきかな?

騙しているようで(騙しているのだが)気が引ける。

全ては売れる為だった。全ては仲間の為だった。

しかし、マッチング相手との絆も、芽生えつつあった。

いつまで私は【こうが】で在らねばならないのだろう?

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