それだけの砂
仲仁へび(旧:離久)
第1話
植物が育たない砂の国。
そこで、魔法の砂が開発された。
それはとても貴重なものだったから、みんなは秘密にしていたけれど、どこかから情報がもれてしまったらしい。
あるところに、どんな植物でも育つ、魔法の砂があった。
それは、たくさんあったから、何年もの間、いくつもの植物を育てられるはずだった。
けれど、魔法の砂の噂を聞いた人たちがやってきて奪い合ったため、すぐになくなってしまった。
残されたのは、手のひらにのる分だけ。
魔法の砂が育てられる植物は、一つしかなくなった。
残された砂をどう使うか。
奪われた側の人たちは、話し合った。
その結果。
ひかげをつくる植物を選んだ。
魔法の砂で育った植物はぐんぐん、大きくなって、日光の強い砂の国を覆い隠した。
太陽に光の暑さにまいっていた国の人たちは、おかげですずしく生活できるようになった。
お昼の日差しの強い時間に、建物に避難しなくてすむようになったし、のどがかわく頻度も減った。
涼しくなったので、今までより長く働けるようになった。
植物がどうして育たない国になってしまったのか分からないし、原因も解決していないけれど。
人々は、長く働けるようになったなら、そのうち自分達で解明できるだろうと考えていた。
それだけの砂 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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