第24話 緊急クエスト2
「もうそろそろ神秘の森に着くな」
「ここまでは特に強そうな魔物はいなかったね~」
「そうですね。もしかしたらもう居なくなっているのかもしれませんよ?」
「ならそれが一番良いんだけど」
今のところは凄い平和だ。脅威になりそうなものは見当たらない。
一番脅威になりそうなものは、隣でレイが俺との思い出は話すたびに、目から光が失われるミズキだろう。
「ほら!あそこが神秘の森だよ!」
お~でかい森だな。まだ結構遠いのに全体が見えないくらい大きい。
「あと3時間もあれば着きますね」
「距離はそんなもんだな。もし何もなければそれをギルドに報告しにいこう。」
まあそんなことはなかったのだが。
神秘の森へと続く湖に架かる橋を渡っているとどんどんと霧が濃くなってきた。
「凄い霧だな。」
「神秘の森は森を隠すように周りがに深い霧が出ているんです。それが観光名所にもなっています。」
「そうなのか。よく知ってるな」
「アルヤさんの為ですので!」
ミズキは俺の腕に顔を擦りつけてくる。
「はなれなよ~アルヤが困ってるでしょ」
レイがミズキを強引に引き剥がす。
いいじゃないですか、、とミズキは独り言を言っていた。
いや、よくないわ!モンスターが出てきたら反応すら出来なくなってしまう。
「2人とも止まれ」
真剣な声でミズキとレイを制止すると、2人はすぐに臨戦態勢に入った。
この切り替えの速さは見習いたいものだ。
ついさっきまで言い合いしてたのに。
いや、そんなことは今はいい。俺の敵感知に反応がある。
「そこ!」
俺は反応がする方に炎弾を撃ち込んだ。
激しく水柱が上がる。
グォォォォォォォ!
やっぱり居たか。
巨大な蛇のようなモンスターが水の中から現れた。
蛇のようなモンスターは口からブレスを吐いてくる。
それを俺たちは間一髪躱した。
だが、戦うにはこの橋の上は狭すぎる。
なによりこっちからの攻撃を奴は水中に潜ることで躱してくる。
「くそ!」
ミズキのライトニングも深くまで潜られると届かないらしい。
せめて奴を陸に引っ張り出すことができれば戦いやすくなるんだけど!
「2人とも!こいつをどうにかして陸に引っ張り出すことができないか!」
「橋から離れて陸に行くのはどうですか?」
「いや、それだと湖から離れすぎて多分追ってこないだろう」
何しろこの湖が広すぎて、陸地に行くにはあまりにも遠い。
「私なら出来るよ。でも戦闘には参加出来なくなるけど」
「ほんとか!?」
「うん、でも何かあったときに助けられなくなる」
「それでもいい!やってくれ!」
レイが戦闘に参加できないのは痛いが、この状況を打破しないことにはどうしようもない。
レイは湖に向けて手をかざすと、大蛇がいる場所の水を全てなくしてしまった。
「早く行って!この状態を維持できるのは10分間だよ!」
大蛇は水のある方へ行こうとしているがこの空間から出ることはできないのか、レイの方をにらみつけていた。
「これでようやくまともに戦えるな」
「ええ、早く終わらせましょう」
俺とミズキは大蛇の居る空間に入っていった。
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