第一章

第2話 ギルドのお姉さん

「ついたー!」




俺は村を出て二日、ようやく隣町につくことが出来た。




この街は、石造りのレンガで建物がたくさん作られているのが魅力的だ。




「えっと、、ギルドはどこだ」




街の中央にある地図を見ながら、ギルドの場所を探す。




「あった!ここか!」




大通りを進み街並みを見ながらギルドに向かっていく。




「この街も久しぶりに来たけど、やっぱり凄いなぁ」




俺がこの街に最後に来たのは2年ほど前だけど、その時よりもお店は多いし、人の数も増えている。




街には、パン屋さんやケーキ屋さんなんかはもちろん武器屋や防具屋、鑑定屋なんかもある。




「ここだな、、」




街並みを見ているうちに俺はギルドの目の前に着いていた。




ギルドの扉を開けると、そこは冒険者の熱気に溢れていた。




受付隣の掲示板でクエストを探している者、昼間から酔っ払って女の人を口説いてる者、クエストの報酬をもらっている者。




そして、新しく冒険者になるために手続きをしているもの。




俺はその列に並ぶ。




「うわーー、、こんなに人がいるんだな」




冒険者になりたい人がこんなにいるなんて思っていなかった。




そして、待つこと1時間。ようやく俺の受付の番がやってきた。




「冒険者になるお手続きでお間違いないですね!」




受付のお姉さんが元気よく聞いてくる。




「はい!お願いします!」




俺も元気よく答える。




「ところで今日の夜、空いてたりしない?食事とか一緒にどう?」




受付のお姉さんがこそこそと言ってくる。




「なに子ども口説いとんじゃー!」




後ろから眼鏡をかけたしっかりしてそうな女の人がでてきて、その受付のお姉さんにゲンコツを食らわせた。




俺はあまりの出来事に若干引き気味だった。




「だって、この子凄い良い子そうだったし、、、」




受付のお姉さんは言い訳し始めた。




「自分が三十路だからって見境なく手を出そうとするんじゃない!」




「なんてこというの!私はまだ28ですー!全然三十路じゃありませんー!そういうサキ姉こそ30焦ってんじゃないの!」




「なにをー!」




そういってサキ姉と呼ばれた人はもう一発ゲンコツを食らわせていた。




もしかすると、ギルドの受付って案外ブラックな職場環境なのかもしれない」




「あの、、、冒険者になる手続きってまだですか、、、」




俺はしょうがなく、少し怯えながら声をかけた。

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