ifストーリー 『シン・アリア』

あれがヤマ様のお友達…ですかね?



ふふっ、とても仲良さそうでちょっと妬いちゃいます。



ですが…



少し会う順番が違えば



あそこには私が居たのでは…と






…ヤマ様は普段どのような生活をしてるのでしょう?



ヤマ様の話によれば、きっと素晴らしい仲間なはずです。



少し様子を見るだけなら…良いですよね?



神よ…本日だけは私の我が儘をお許し下さい…



しかし修道服で歩き回るのは流石に目立ちますよね…



確か私の自室に運動着が数着ならあったはず…







「申し訳ありません…私が不甲斐ないばっかりに…」


「あ、いや、気にするなって。俺は平気だから」


医療所から所々に包帯を巻いたヤマ様とお仲間の女性…恐らくヴィラと言う方が一緒に出てきました。


…貴女は何をしてたのですか?ヤマ様を守るのではなかったのですか?


ヤマ様の慈悲だけで居させて貰ってるだけの様な女が…


…また移動しますね。追いかけなくては…





「いただきにゃー!」


「あっ!おい!それは俺のだぞ!」


「そっちの方が美味しそうだったにゃ~」


「全くよぉ…ほら、お前の寄越せ」


なんなのですか…?あの獣人は…!人の物を取るなんて…


見た所ヤマ様より年下の様ですが、何でも許されると思ったら大間違いです。


しかもベタベタベタベタベタベタと!獣臭い手でヤマ様に触らないで!


…少し取り乱しましたね。落ち着かなければ…


…しかしあの女達にヤマ様は相応しくありません。


これからは私が貴女方に代わってヤマ様を御守りします。


…ですがヤマ様は私が何を言っても前に進み続けるでしょう。


それが例え破滅の道だとしても…


どうすれば幸せになれるんですか?


どうすれば報われるんですか?


あんなに苦しみ、頑張ってる彼を救うにはどうすればいいんでしょう…













神よ…私の罪をお許し下さい…








ポトッ…ピチャッ…








おはようございます。よく眠れましたか?


急に教会に連れてきて申し訳ありません…どうしても放っておけなくて…


え?何がですか?…良いですか?落ち着いて聞いて下さい。


今のヤマ様には悪い悪魔が取り憑いています。それも非常に強力な者です。


祓う為にも暫くはここに居て欲しいのです。


嘘だろ?いいえ、そんな事はありません。現に見てください。


その両足、色が変でしょう?


これは悪魔の侵食が始まってる証拠です。このままでは遠くない内に命を落とすでしょう。


数日で構いません…どうか…時間を下さい…





ポトッ…ゴクッ…ゴクッ…





おはようございます。気分は如何ですか?


両足が変だ?見せて下さい。


…!悪魔の侵食が進んでます…恐らく立つことはもう…


いえ、大丈夫です。必ずや祓ってみせます。今しばらくお待ちを…






ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…






おはようございます。調子はどうですか?


腕が動かない?まさか…見せて下さい!


これは…本当に申し訳ありません…!もう腕も動かす事は…


後少しなんです!こんな所で死なせたりはしません!


それと…申し訳ないですが、口に細工をさせて頂きます。


何をしたか?ふふっ、些細な事ですよ。






こんにちは。本日はどうなさいました?


人を探してる?どのような方ですか?


『ネネ達のリーダー』ですか?すみません…流石にそれだけでは…


成る程…数日前から行方不明ですか…


分かりました。それらしい方を見ましたらお伝えしますね。失礼ですがお名前を伺っても?


ヴィラさんとネネさんですね。ありがとうございます。ではまた…


ギィ…バタン…



ふふっ、あの二人は今になって漸く探してるのですね。


所詮その程度の存在だったと言う事ですか。


邪道とは言え、やはり二人から引き離して正解でしたね。


この四肢を腐らせ再起不能にする薬…ここまで効果があるとは…


ですが私は無責任な事はしません。やった事の責任は必ず取ります。






おはようございます。今日は快晴ですね。


では本日もゆっくりなさって下さい。何かありましたら遠慮なく言って下さいね。


え?仲間に会いたいんですか?ふふっ、変な事をおっしゃるんですね。


ヤマ様には私が居るんですから大丈夫ですよ?


貴方には私だけが居れば良いんです。


ご飯もお仕事も生活も


使えない剣士も


意地汚い獣も


私がいればな〜んにも心配しなくて良いんですよ?


あら…どうしたのですか?そんなに涙を流してしまって…


ふふっ、心配しなくてもここにはヤマ様を苦しませる者は何もありませんよ?


大丈夫です。私が最後まで、一生お世話してあげますからね。

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