金色の環
餅野くるみ
第1話
今日はなんて最悪な日だろう。
あと半月ばかりで卒業を迎える中学校からの帰り道を歩きながら、アタシはそう思った。今日は金曜日。毎週この日は帰宅後すぐに準備して塾に行かなくてはいけない。
思わずもれたため息は予想外に大きかったらしく、通りすがる一組の男女が何事かとこっちを見てくる。
どうせアタシのことバカにしているんでしょ、とイヤでもそんな考えに飲み込まれてしまう。
今日は朝から何もかもがひどかった。キチンと乾かしてから寝たはずの髪の毛は、何故かウニのように逆立っており、時間ギリギリでそれを整えた。朝ごはんも半分ほど残し、何とか家を飛び出したけれども登校班には間に合わず、一人で校門まで駆け抜けた。そうやって慌てて準備したおかげで後々気付く忘れ物の数々。何度隣の席の子に教科書を見せてもらっただろうか。途中からはアタシが何か喋る前に察して机をくっつけてくれた。お礼はその都度言ったものの、アタシはその子の顔を見るのが怖かった。班での活動中には好きな子の前でお腹が鳴り、必死に咳払いでごまかした。給食に出たデザートは好物のゼリーだったのに、食べるスピードは男子には敵わず、アタシが食べ終わった時にはおかわりのゼリーは全て持っていかれていた。食後の体育では体操着を忘れ、怒られた上に見学扱いで参加することができず、みんなの楽しそうな姿をうらやましげに見ていることしかできなかった。大好きなドッジボールだったのに……
そんなこんなで、それ以降も手を替え品を替え、我が身に降りかかる不幸を呪いつつアタシは帰宅の途についているのだった。
確か先生の誰かが言ってたっけ。この世は二本のねじれたヒモのようなもので、一本は良いこと、もう一本は悪いことでできている。だから良いことの後には悪いことが、悪いことのあとには必ず良いことがやってくるんだよ、と。
そんなのぜったい嘘だ!
今日のアタシは一体なんなんだ。ヒモが一本しかないじゃないか。もしこの後に良いことがやってくるっていうのなら、誕生日がニ回やってくるくらいのことが起こらないと割に合わないと本気で思う。
隣の車道からは、制限速度など知ったことかと走り抜けるスポーツカーの排気ガスが吹き付けられひどく目に染みる……この涙はそのせいに違いない。
何も考えていないように隣で傘を剣にして笑顔で走り抜けていく小学生がうっとおしい。カーカー聞こえるカラスの鳴き声がうるさい。新しく買ってもらった履き物の靴擦れが痛い――まるでこの世界は呪いで満ちあふれていて、それら全てが今アタシにまとわりついて離れてくれない。そんな考えで頭が一杯だった。
「……ただいま」
帰宅のあいさつもそこそこに、塾のカバンを手に取り逃げるように家を出た。奥から何やら声が聞こえたが、ピシャリと戸を閉める。
この時間に家に居るのはきっとおばあちゃんだ。もし一休みするとなると話が長くなって塾に間に合わないに違いない。そう言い聞かせて小走りになっていくアタシの胸はチクりと痛んだ。
勢いに任せて家を出たものの、どうしようかとアタシは悩む。祖母との長話となると別だけど、実は家で少し休んでからでも塾には十分間に合うのだ。おかげで三十分ほど時間を持て余してしまった。
「どうしよう……」
塾にはもう少しで到着する。が、早すぎる。やることがない。宿題でも持ってくれば良かったのかな、今からでも取りに帰るべきか、と考えたところでその案は放棄した。今は戻りたくない……今のアタシにはその資格がない。
活気のある声が響く商店街を、できる限り時間をかけるようにして歩いていく。視界の端には駄菓子屋やおもちゃ屋さんが並んでいるが、気持ちは惹かれない。中学生ともなると、そういったものからは卒業すべきだという変なこだわり……思い込みと言ってもいいかもしれない。とにかくそういう考えをアタシは持っていた。
ふと、視界の端に黒い影がとまった。
少し太めでふてぶてしく、けれどそれに似合わないほど綺麗な金色の眼がらんらんと輝く黒猫だった。
「なんだ『モップ』か」
物心ついた時からアタシの周りによく出没する猫で「モップ」というあだ名はアタシが付けたものだ。見た目そのまま、外国の血が濃い猫なのか、体毛がめちゃくちゃに長い。ある時、土手でお昼寝しているのを見かけた時は、本当に黒いモップの先っぽだけが落ちてる、と驚いた覚えがある。
決してこちらに近付いてこない猫だった。野良なんてそういうもんさ、とおばあちゃんは言っていたが、アタシだって手に届く動物はみな可愛がりたいと思っていた時期があったのだ。「おいで」と、それこそ猫撫で声で呼んでみても、こちらを一瞥しただけでツンと横を向き、そのまま草むらに入っていったのは幼稚園生の頃だったっけ。結構ショックを受けたのを覚えている。
今では「ああ、またいるな」程度の存在となっていた。そういえば、モップは何歳くらいなんだろう。アタシが小っちゃい頃から見てるし、人間で言えばもう結構な歳のはずだ。
黒猫は不吉の象徴です。
誰が言っていたかも覚えていない、そんな言葉を不意に思い出す。
「……こっち見ないでよ」
今日に限っては出会いたくない相手だった。普段のアタシなら気にも留めないのに……今のアタシにとってはまさに今日の悪い出来事全てを、それが事実であると、とどめのように突き付けてくる存在だった。
「見ないでって言ってるでしょ!」
モップを威嚇するように、そして同時にこのどうしようもない感情を少しでも吹き飛ばしたいという思いで、アタシは右足を大して舗装もされていないコンクリートへ叩き付けた。――結構痛い。痛いが我慢する。これくらいの痛みなんてへっちゃら、むしろ本当に痛い部分をちょっとでもごまかしてくれるならちょうどいい。
そんなアタシの胸の内など知ったことか、とでもいうように、モップはしばらくこちらを見つめた後、プイと顔を背けて狭い路地裏へ歩いていった。
はぁ、とため息が自然とこぼれる。
「何やってるのかな、アタシ……」
この何とも言えない苛立ちのようなものを何かにぶつけようと、多分、何も変わりはしない。そんなことくらいはアタシにも分かっていた。
それでもあがいてみたい……アタシをいじめるこの世界に、少しだけでも意地悪してやりたい……。
そんな考えが胸の中に灯り、やがて抑えきれない衝動となって身体の内からあたしをひっかきはじめた。
「……塾、サボっちゃおうかな」
そうだ、そのくらいの身勝手はやっちゃっていいはずだ。理由は……別にいいや。後でお母さんに怒られるかもしれないけど、それでも構わない。それに、これだけサイアクな一日だったんだから、もしかしたらこの後何か素敵なことが起きるかもしれない……! そんなことあるはずない、と考えるもう一人の自分を無理矢理ギュッと押し込める。
ふと、少し離れた場所にある建物が目に入った。その瞬間、あたしの心は決まった。
考えが決まるや否や、あたしは早足で塾へと向かい、少し体調が悪いので欠席するということを先生へ伝えた。背筋を伸ばし、真っ直ぐに目を見て堂々と物を言うアタシは、どこからどう見ても、超健康優良児に見えたことだろう。
構うもんか。どう思われようがアタシの知ったことじゃない。
言うべきことを言い終えたアタシは、失礼します、とだけ言い残し、もう用はないとばかりに勢いよくターンし、小走りで塾を後にした。
「一人で行くのは初めてだな……」
先程遠目に見えた建物……いや、建物は建物だけど、その機能はもう果たしていないので、廃墟と言ってもいいかもしれない。それは少し離れた山の上に高校が新設されたことで放置された旧校舎らしい。らしい、というのは、アタシが知っている頃からそこはオンボロの少し不気味な建物だったからだ。誰が教えてくれたっけ……覚えてないや。
商店街の裏道を通る。昨日降った雨のせいか、泥が跳ねて制服に飛んでくる――気にしない。金網に空いた小さな穴の隙間をくぐり、少し背の高い草むらをかき分けて進んでいく。カヤで少し腕を切ったようだ――気にしない。
そうしてたどり着いたそこは――旧東高等学校、誰かアタシの知らないお偉いさんたちの決定でそうなったのだろう。かつては商業に特化した授業を提供しており、進学を目指さない学生には人気だったという公立高校、その成れの果てだった。
前に来た時よりもずいぶんとボロボロになっている気がする。昔……と言っても小学校低学年の頃だけど、アタシは近所の男子グループに混ざって遊ぶことの方が多く、その遊び場の一つがここだった。
大分背が伸びたからだろうか……あの頃よりも色んなものが見えるようになった。窓ガラスが全部割れているのは……変わらない。よく何階まで届くか、みんなで外から石を投げて遊んだものだった。……今になってそれが結構危険な遊びだったと実感する。……これも成長してるってことなのかな。
敷地こそ金網で囲われてはいるけれど、今のアタシの背丈をもってしても結構入るのは簡単だ。ましてや小学生ともなれば、小さい身体が有利に働く。そして、まだ好奇心が理性を上回る年頃でもあり、ここが秘密の遊び場となるのにそう時間はかからなかった。
校舎内は……だいぶ荒れているようだ。お菓子や花火の燃えカスなどのゴミもかなり散らばっている。誰かが入った結果そうなっているのは間違いなかった。
昔のアタシは……アタシたちは、この廃校舎の外でしか遊んだことがなかった。理由は二つある。単純に立ち入り禁止の場所だったことと、中に入ってみようとは思わせないほどに不気味な雰囲気が漂っていたからだ。
そしてそれは今も変わらない。メインの入口は完全に壊れ、一階の窓は全部割れており、どこからでも簡単に入れる……けれどもタダでは出れそうにない。そんな根拠のない空気を、この建物は今も昔も変わらずに感じさせてくれる。
季節は秋口、もう一、二時間もすれば日は落ちて辺りは真っ暗になるだろう。
「……急がなくちゃ」
ここが遠目で見えた時、アタシは決めていた。
今日あの校舎に入ってみよう。入ってどれくらいこの不幸が続くのか試してみよう、と。多分、良いことなんて起こらない。それならそれで、今のアタシの気持ちを逆撫でしてくる気休めのような言葉に対して、自信を持って言い返せるじゃないか。
お前は投げやりになっている、と言われればそうだったのだろう。それでも……それでも少しくらいはアタシの意思で抵抗してみたかったのだ。このどうしようもないくらいに向けられた、世界の悪意みたいなものに対して。
片側が完全に壊れている入口から恐る恐る中を覗いてみる。当たり前だけれど、照明などの光源は機能を停止している。自前で懐中電灯など持ってもいないのだから、短期決戦は必須であった。
木造メインではあるが、所々にセメントやタイルのようなものが見受けられる。ここまで近付いて分かったけれど、誰かに持ち込まれたゴミ以外にも、色々なものが床に転がっていた。無造作にまとめられた用途不明のコード、ラベルが摩耗している正体不明の薬品など様々だ、
それらの存在だけでも、アタシのあと一歩をためらわせるのには充分すぎるくらいだった。
「――知るもんか!」
今からでも遅くない、と訴える心を叱咤し、アタシは廃校舎へと足を踏み入れた。本当は道場破りの如く踏み入るつもりだったのだけど、足元に散らばるガラス片を見てその案は即座に却下されたのだった。
もう後戻りはできない。
廃校舎内はひんやりとしていたが、それとは無関係に手足の先や背中に物理的でない冷たさを感じる。
一気に後悔の気持ちが押し寄せるが、ぐちゃぐちゃに混ざり合った感情のせいか、アタシの身体はもう思い通りには動かず、ただ足だけが前へ前へと進んでいく。
すぐ目の前に階段があった。既に思考から冷静さは欠けており、何を目的にここに来たのかも完全に頭から飛んでしまっている。
「登らなきゃ……」
何かに突き動かされるように動く足は嫌に軽く、けれど散らばる瓦礫やゴミは器用に避けながら階段を折り返し、あたしは二階へと登り切った。
何のひねりもない一直線の廊下の真ん中にあたしは立っていた。恐らくその両側には等間隔で教室が並んでいるのだろう。だろう、というのはそれを確認することができなかったからだ。
バリケード、と呼べばいいだろうか。とにかく、二階へ登ってすぐ目に入ったそれは、きれいに教室への道を塞いでいた。ご丁寧なことに両側までみっちりと。
それは規則性のある防護壁ではなく、ただ乱雑に机と椅子を組み合わせて作られたものだった。元は人工物でありながら、人一人通さないような構造にまでねじ曲げられたそれは、まるで複雑骨折を模しているかのようで、気持ち悪い、近づきたくない、という印象を見る者に与えるには十分すぎる代物であった。
それらの横の壁には意味不明なマークや下品な単語がカラースプレーで書き殴ってある。
アタシは逃げるように三階へと足を進めた。
階段の折り返し地点では、舞い上がる粉塵が割れた窓から差し込む夕日に照らされてキラキラと輝いている。しかし、今はそんなものをいちいち気にしていられる心境ではなかった。
早く目的を達成してここから出よう。足を進めるにつれ、アタシの心はそれ一色に塗りつぶされていく。
目的……あれ、アタシがここに来たのって何のためなんだっけ? そもそも、こんなところまで来て、一体何をするつもりだったんだろう。
そうしてアタシは気付く。くそったれな世界に対する反抗心から起こした行動だったけれど、じゃあこの廃校舎で何をすればいいのかを決めていなかったことに。――ただの勢いでここまで来てしまったことに。
抱いた後悔の念とは反対に、アタシは三階への階段を登り切った。外から見るに、ここが最上階のはずだ。さっきみたいなバリケードは……無い。ボロボロで、色んなものが散乱してはいるが、一直線に走る廊下の体を保っている。
首を恐る恐るゆっくりと動かして左右を確認する。まだ明るいおかげで足元ははっきり見える。気をつけさえすれば歩いていけそうだ……木が腐っていて踏み抜きでもしなければ、だけど。
右手に走る廊下の奥に、うっすらと消防設備を示す赤色のランプが見えた。当然、点灯はしていないけれど、光の反射でそれが今あたしが通っている中学校にもあるものだということが分かった。
アレにタッチしたらゴールにしよう……
今更ながら目標を定めたアタシは、そこに向かって歩き出した。目線は下。足元に注意しないといけないという理由も大きい。でも何より、目的以外の何かをここで目にしてしまうことが怖かったのだ。
できる限り窓に近いルートを選びながらたどり着いた目的のものは、やはり消防設備だった。足元には使用期限をゆうに超えているだろう消火器が転がり、無造作に明けられた赤いドアからは所々に穴が空いたホースのようなものが飛び出している。ランプは……ちょうどアタシの目の高さにあるが、ひどく埃をかぶっているようだ。
……これでおしまい。さっさと帰ってお風呂に入ろう。塾からお母さんに連絡はいってるだろうけど、ひどく怒られるかもしれないけど、ここに居続けるよりは何百倍もマシだ。……結局良いことなんて都合よく転がってなくて、悪いことばかりの一日だったけれど、アタシの人生なんてそんなものなのかもしれない。何なら今日ここに入ってしまったことは明確にマイナス点だ。
汚れた指先は後で洗い流せばいい。願うなら、これが悪いことを全部リセットしてくれるボタンでありますように。そんなことを考えながら、アタシは薄汚れたランプへおずおずと人差し指を伸ばした。
「オイ」
後ろの方から何やら音が聞こえる。――気のせいだ。これだけ古い建物だから、吹き込む風や軋む床がそういった音を立てるのはよくあることなんだ。
「オイって、オマエだよオマエ」
――今度こそ、気のせいにすることはできなかった。しっかりと意味を持って放たれた言葉が、より近く、大きい音量となってアタシの耳に届いたからだ。
考えていないわけではなかった。一階に誰かが後から持ち込んだ物の残骸があったのだから「アタシ以外の人が居てもおかしくはない」と。そして、もしその気配を感じたら、気付かれることなく逃げようとも思っていた。
しかし、言葉の主は間違いなくアタシに対して言葉を投げかけてきている。そうなると、アタシが取るべき行動は一つだった。
「ごめんなさい! 友達に肝試しで行ってこいって言われて――すぐに出ていきますので」
振り返ってろくに相手の姿も確認せず、頭を下げた。
「いや、別にそんなことどうだっていいよ。こんなトコに一人で来るヤツなんて珍しいから声かけただけさ」
少し高い位置から聞こえる声は……女の人……? でもこんな喋り方……
恐る恐る顔を上げた先に立っているのは、すらりと背の高い女性に見える。沈み始めた太陽が逆光となり、シルエットくらいしか分からない。
その横を無理矢理通り過ぎようとしたら遮られた。
「――何ですか? 出て行くって言ってるじゃないですか。すみませんが退いてください」
相手の顔も見ずにアタシはそう言った。――実際は怖くて見たくなかった、という方が正しい。こんなとこに一人でいる人なんて普通はあり得ないからだ。……人のことを言えた身ではないけれど。
「ちょっと待てって。オマエ、何しに来たんだ?」
「だから言ったじゃないですか。肝試しって」
「いや嘘だろソレ。オマエみたいなツラしてここに来るヤツらはそんなことしねぇよ」
「どうでもいいじゃないですか! とにかく通して下さい!」
アタシはこの場からできる限り早く立ち去りたかった。
「あのなぁ……人の話はちゃんと最後まで聞けってオマエは耳が痛いほど聞かされてるだろ?」
「知りません。誰からですか」
「オマエのばあちゃん」
一瞬、時間が止まったような気がした。しかし頭はしっかりと働いており、得体の知れない女性の言葉をきっかけにおばあちゃんの顔が浮かんだ。
確かにそれは祖母の口癖だった。しかし、説教じみたその言葉には続きがあり――
「しっかり聞いた後でソレがオマエにとって良いことか悪いこと決めりゃあいい――そうだろ?」
……間違いない。コイツはアタシのことを知っている。
「……あなたは誰なんですか?」
初めて相手の顔を見上げて尋ねた。逆光でまだ目がチカチカしていて細かな部分までは分からない。だけれども、ソイツは金色の瞳を光らせ、ニヤリと笑いながらこう言い放った。
「オレかい? オレは――『死神』さ」
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