第17話

早かった。


わたくしがしたのはジーク兄様の御両親に挨拶して婚約届けにサインしただけ。


いつまでもグズグズ言っていた父も兄の「嫁に行っても隣りだし、孫が出来たら毎日会えるよ」の一声で蘇ったのよね。


兄よナイス!


婚約したこともすぐに公表することになった。



それと、ジーク兄様の希望で兄様呼びはやめて、「ジーク」と呼ぶようになったの。





今日と明日は学園も休みなのでジークと買い物デート。


長い付き合いなのに2人で出掛けたこともなかったのよね。


迎えに来てくれたジークはラフな格好だけど貴族だとモロバレね。

高貴なオーラが隠せてないわ!

イケメンは何を着てもカッコイイわ~



わたくしも町娘風の装いよ!

ジークがブツブツ何か言ってるけど出発よ!


どうしても欲しいものがあったの。


この世界には婚約指輪や結婚指輪を贈る風習が無い。


だから、今日は宝石店に行ってジークにプレゼントしたいの。


学園でも華美過ぎなければアクセサリー類を付けても大丈夫なのよ!



馬車から降りていつものように、ジークと手を繋ぐ。わたくしから恋人繋ぎをしたらジークってば口もとを手で隠して真っ赤になってるの。ホント可愛いわ!


宝石店に着くまでに「ジークの瞳の色の指輪を身につけたい。ジークにもわたくしの瞳の色の指輪を身につけて欲しいの。ジークがわたくしのものだってアピールできるでしょ?」

「アリー凄く嬉しい、最高だ!」

もう!こんな街中で抱きしめないでよ。

恥ずかしいじゃない!



わたくしはジークの瞳の色タンザナイトを選び、ジークはわたくしの瞳の色ブルーサファイアを選んだ。

もちろんお揃いのデザインよ!


プレゼントしたかったのに全額ジークが出してくれた。



すぐに作業に取り掛かってくれるそうで明日には出来上がる予定。


休み明けにはお揃いの指輪をつけて登校できるわ!


わたくしって、やっぱり独占欲強かったのね。




街で人気と噂のカフェにも行ったの。


わたくしはフルーツたっぷりのタルトと紅茶。

ジークは珈琲を頼んだ。


ジークが「アリーはい!あ~ん」と口に入れてくれる。

とっても美味しい!クリームとフルーツのコラボは鉄板ね!


ジークがわたくしにお菓子を食べさせるのは幼い頃からだから当たり前に受け入れてるけど、コレって照れるところ?

ジークもいつもと変わらない笑顔よ?


次々切り分けてはタイミングよく食べさせてくれる。

わたくしは口を開けるだけ。


「機会があればわたくしもジークにあ~んしたいわ」


「アリーがしてくれるの?いいの?」


もう!頬を染めたテレ顔が可愛すぎる~


そんな顔してくれるなら何度でもやるわ!


「うん!やりたい!やらせて!」


なんて話をしてたら出たよ!

また出たよ!

しかもカイト付き!

目が吊り上がってる!


休日まで会いたくなかった・・・


ホント勘弁してよ~







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