第3話
我が公爵家は両親と兄、わたくしの4人家族。
それと、たくさんの使用人たち。
父は大好きな母といつも一緒にいる為に、陛下からの側近の話も断り、領地経営に励んでいる。視察にも常に母を同行している。
そんな母と瓜二つなわたくしを溺愛してくれる。
父は公爵家当主。
ロイド・ウエルス公爵
赤い髪に、ルビーのような赤い瞳は鋭い。細身ながら均整の取れた身体は筋肉の無駄がない。母と結婚してからも夫人や令嬢から多くの視線を集める程の美丈夫だ。
母はわたくしと同じ色合い。
アネット・ウエルス公爵夫人
社交界の華と謳われる程の美貌と洗練された所作、子供2人を産んだとは思えない程若々しい。
兄の名はアルフレッド・ウエルス
兄も母とわたくしと同じ色を纏っているが、顔は父にソックリだ。
艶のある黒髪にブルーサファイアのような目が鋭い。
長身で手足も長く、普段から鍛えている身体は引き締まっている。
兄は17歳、わたくしは16歳年子よ!
所轄、美形家族なのよ。
その3人、とくに父と兄は愛情表現が激しい。
前世を思い出す前は当たり前のように受け入れていたのに、今は恥ずかしさが先にきてしまう。
でも家族を大好きな気持ちは変わってないわ。
前世では大学を卒業後、ずっと夢だった世界一周を一人で旅をする直前に元カレに刺されたわね。
死因は刺殺か~
好きだった元カレに浮気されて、「遊びだったんだ!コイツに誘われたんだ!好きなのは君だけだ!もう浮気はしない!」と言い訳されても許せなかったんだよね。
相手は私の中学からの親友だったし!
親友だと思っていたのは私だけだったようだけどね!
「悪いと思ったけど彼を好きになってしまったの。ゴメンなさい。」て泣きながら言ってたけど、口もとは笑ってたのを見逃さなかったわよ?
遊びだったと言われた時は本気で泣いていたわね。ざまぁ!
だいたい浮気をするような奴はまた同じことするよね。
友人から、「彼浮気してるわよ」と教えられるまで考えたこともなかったんだよ。
大事にしてくれてると思ってたから。
浮気が確定した時にはショックだったけど、言い訳されるのが嫌で友人たちと証拠集めしてた時は探偵になったようで楽しかったわね。
毎日のように、作戦会議のいう名の飲み会もやってたわ。
その時には浮気した元カレのことなんて吹っ切れてて、現場を友人達と乗り込んだのもいい思い出だわ。
親友とは当たり前だけどそれっきり。
協力してくれた友人たちには感謝してる。
別れたのに付きまとう元カレからも守ってくれてたのに・・・
あの時、身に付けた護身術が役に立てばよかったのにな。旅立つ間際だったから浮かれてたのね。
平和な日本で刺されるなんて思いもしなかったのよ。
家族も悲しませてしまったわね。
3番目の兄とはよくケンカもしたけど、普段は仲良し兄妹だった。
帰りが遅くなると駅まで迎えに来てくれる、優しい兄だったの。
「危ないだろ!もっと早く帰ってこい!」って、よく怒られたわね。
それでも兄からの愛情は常に感じていたわ。
あの日も帰らない私を駅で待っていたのかしら?
凄く悲しませたよね。
うん!今更しんみりしても仕方ないわ!
気持ちを切り替えて、今世こそ悔いのない人生を送るわ!
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