黄昏の蘊蓄

のいげる

ー 闇知識 ー

 この章は私が今までに見聞きしてきたオカルトに関する蘊蓄を集めている。

 内容には間違いがある可能性がある。まともに役立つ知識は一つもないはずだが、その利用の結果如何なる闇の勢力に襲われても当方が関知することはないことを宣言しておく。


 オカルトの世界は本物のオカルト学から始めて偽オカルトまで幅広く存在する。

 オカルトには最初は噂から作られたオカルトであっても、時間と人気に従ってそれが本物になるという厄介な性質がある。この性質にはある種の自己確立の原理が関わっていて避けられないのだ。

 例えば死霊秘宝書ネクロノミコンは作家ラブクラフトの創作したク・リトル・リトル神話の中に出てくる書物である。世界に13冊が存在し、自分で持ち主を選んで渡り歩くという性質がある。

 もちろんこれは架空の書物であるが、いつの頃からか一つの噂が流れるようになった。この書物が実在するという噂である。

 幸いなことにまだ私は実物に出会ったことはないが、いつの日か私の進路の前に出現するかもしれない。

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