第4話 父の日記①

 ちなみにこの時の父の日記には、こう書いてあった。


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 ローマの光が見え始め、二十二時ころにローマ空港に到着する。

 急いで出国手続きのところまで行く。

 その間、現地の人が我々三十人を待っている気配は無い……。


 出国手続きのところまで行くと、すでにツアー客のうち二人は通過していた。

 三人目になったときに係員が手を斜め上に上げ、飛行機はすでに出発済みだ、

 確認するが待っているように言われた。

 すでに通過した二人は一体どこへ……。


 しばらくして係員は戻ってきた。

 やはり飛行機は出発していると言う。

 航空会社のインフォメーションカウンターへ行く。

 カウンターにて事情を説明すると、航空会社のチェックインカウンターへ行くように言われる。

 そのときカウンターには三十人のツアー客のうち、十人しかいなかった。

 残りの十八人はどこへ……。


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 当時のパニックが伺える内容だ。

 ていうか皆、何でいなくなるの? 

 異国の空港で非常事態に直面しているのに、自由すぎる……。

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