第51話 3.がとーしょこら色の思い出(23)

「小鬼、頭を上げて」


 頭を上げた小鬼と視線を合わせて、僕は気持ちをしっかりと伝える。


「きみが心配してくれたから、僕は自分の気持ちときちんと向き合えたし、きみが話を聞いてくれたから、僕は自分の至らなさに気がついたんだ。出過ぎた真似なんかじゃないよ。むしろ、心配してくれてありがとう」


 僕は膝をついたまま小鬼に頭を下げた。頭を下げられた小鬼はオロオロとしている。


「や、やめてくださいよ〜」


 僕は頭を上げると、小鬼に向かってニヤッと笑う。


「小鬼、明日もよろしく」


 それに応えるように、小鬼も全開の笑みを見せる。


「はい〜。本日はお疲れ様でした〜。では、また明日〜」


 小鬼はパチンと指を鳴らし、ターンをして姿を消した。

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