それは、涼しくなってきた季節のこと。

何時（いつ）ものように地域の図書館へ足を進める。

この図書館にある本は殆ど読んだ

だが、そんな私も見た事のない

少し埃を被った1冊の本を目にした。

手が吸い寄せられるように

その本を本棚から出す。

『魔法の石』

本の表紙にはそう書いてあり、

厚みは普通の本と変わらない。

内容が気になり、その本を借りることに。

司書（ししょ）｢この本を借りるとは、物好きですね｣

突然そう言われ、少し驚く。

春歌（うらら）『そう、ですかね…？』

司書｢えぇ。この本には“言い伝え”があるんです。｣

春歌『言い伝え？』

司書｢この本、1ページだけ破られていて、

そのページを見つけると異世界転生

しちゃう…だとか｣

春歌『……！なんだか、面白そうですね』

司書｢見つけられるといいですね。

破られた1ページ｣

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