第3話 もう1人…

今年で5才になった女の子の『サキちゃん』


サキちゃんは口数が少なく何を考えているのかが分からない、いわゆる不思議ちゃんタイプ。


しかし――


そんなサキちゃんにも話相手が出来た。


相手は同い年で男の子の『リント君』


リント君はいつも明るく元気で、サキちゃんとは正反対の性格であったが、リント君と遊んでいる時はずっと笑顔で、リント君とはしゃいでいた。


リント君と遊ぶのは決まってお昼時――


ある日リント君はサキちゃんの家にお泊まりすることになりました。


サキちゃんはずっとリント君から離れません。


ガチャ――


すると、おばあちゃんがサキちゃんの家に入って来ました。


サキちゃんは少し困った顔をしました。


「おばあちゃん」「…リント君、向こうの部屋に欲しがっていたオモチャがあるから、見に行っておいで♪」


「リント」「ホント!?」


リント君はサキちゃんを置いて、向こうの部屋へと行ってしまいました。


そしておばあちゃんは、サキちゃんにこう言い放ちました…




「おばあちゃん」「いい加減目を覚ましなさい!」
















実はサキちゃんとは、リント君の母親が多重人格によって生み出された存在で、夫に捨てられた際に過度なストレスがかかったのか、数年が経った今でもほぼ決まった時間に、サキちゃんが現れるという。

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