隠し事くらい誰にでもあるよね!?え、違う!?
「【
「はい…………」
確認するようにそう言われて、私はうつむいて答えることしかできない。
あぁ、今すぐDEA●H NOTEに『秋月 楓』と書きなぐってやりたい。
恥ずかしい。消えたい。いやむしろ
「カエデ……あんた、嘘はつく方かい?」
「へ?」
突然ローザさんからぶっこまれた質問に、目がパチクリする。
と、そこで部屋の空気が少しピリピリしているのを感じた。
なんというか、2人が私を見る目が少し厳しいよう、な…………?
あ。
そうか、なるほど?
さっき聞いたのだけど、スキルというのは、その人の特性に合ったものが選ばれるらしい。
たとえば、【癒し】のスキルの人は回復魔法が使えたり、癒し系……みたいな、そこにいるだけで場の空気がほんわかする、癒される感じなんだとか。
で。何が言いたいのかというと。
私、めっちゃウソつきだと思われてる!?
え、でも私ウソなんて………いやまぁ、隠し事
いや違う!そこじゃない!論点がズレた!
一番重要なのは、私が今、異世界で初めて会った人の信用を失おうとしている事だ!
えーっとえーっと、どうしよう。
と、とりあえずローザさんの質問に答えなければ!
「う、ウソは………つかない方、です。少なくとも、さっきの質問ではウソは付きませんでした」
「そう……」
うん、ウソは言ってない。『覚えてません』って言ったのは、知らなかったから。そう、ウソではない!
そんなグレーゾーンなことを考えている間、ローザさんと受付のお姉さんは密かにアイコンタクトを交わし、口を開いた。
「カエデさん、私たちにもスキルを見せていただけますか?」
「は、はい。どうぞ」
それで疑惑が晴れるならいくらでも見せましょう。
「では………」
そう言って、お姉さんは『鑑定晶』のあたりをじっと見つめる。
この『鑑定晶』、基本は鑑定結果は使用者(つまり触れた人)にしか見えないんだけど、その人が許可を出せば他の人にも見えるようになっているんだよね。どういう仕組みかは全然わかんないけど、さすが異世界、
「ふむ………やっぱりスキルは【偽装】で間違いないみたいだね」
やっぱそうなんですか………(ノД`)
「もう少し、詳しく見てみましょう」
え、そんな事できるの?
そんな私の驚きをよそに、お姉さんは『鑑定晶』の、おそらく『メインスキル:【偽装】』と表示されているあたりに向かって、手をのばした。
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