すぐに泣き止んでくれないのも

そんな玲那れいな沙奈子さなこの<過去>が現実のものであるのと同じく、玲緒奈れおなが僕じゃなきゃすぐに泣き止んでくれないのも<現実>だよね。


以前、僕がおなかの具合が芳しくなくてトイレにこもっている間、絵里奈えりなが玲緒奈をあやしてくれてたんだけどなかなか泣き止んでくれなくて。


五分くらいかかってようやく泣き止んで、僕もやっとトイレから出られて様子を見たら、赤い顔をした玲緒奈が絵里奈に抱かれてて、心配して自宅一階の事務所から様子を見に来た玲那もいて、


「いや~、なかなか泣き止まないからハラハラしてたよ。確実に近所中に響き渡ってたよね。赤ん坊の泣き声ってすごく気になるって聞くけど、マジかもしんない」


と。


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