何かが砕けた瞬間

『ごめん…! ごめんね結人…! 結人は私を守ろうとしてくれたんだね…! それなのに私……!』


結人ゆうとくんが自分を守ろうとして咄嗟に喜緑きみどりさんに飛び掛かってしまったことに気付いた鷲崎わしざきさんがそう口にした途端、今度は彼の方が、


「お…り…ひめ……?」


と彼女の名前を口にしたのと瞬間、


「う……う、あ……あ…うあぁああぁぁああぁ~……!」


って泣き出してしまって。


それは、彼の中で何かが砕けた瞬間だと僕も感じた。これまで彼が頑なに守ってきたものが、必死に抑えてきたものが、もうどうしようもなくなって弾けてしまったように僕には思えたんだ。


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