悲しそうな表情で自分を見る鷲崎（わしざき）さんに、結人（ゆうと）くんはすごく困惑した表情をしてた。自分が何をすればいいのか分からなかったんだろうね。だから僕は、

「こういう時はやっぱり、『ごめんなさい』かな。それが一番確実だと思うよ」

と彼に告げたんだ。これにも結人くんは、目を泳がせつつ固まってしまってた。

すると、先に、

「私が余計なことをしてしまって鯨井くんが怒られることになってしまって、ごめんなさい」

沙奈子（さなこ）が謝って。

でもこれには、僕も含めたその場にいた全員が呆気にとられて。

だっていつもの沙奈子とはぜんぜん違う感じだったから。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい