ものすごく扱いの難しい人間

大学時代、僕は鷲崎わしざきさんが向けてくれる好意をひたすら無下にし続けた。迷惑だとさえ思ってた。


なのに彼女はめげることなく僕に好意を向け続けてくれたんだ。


当時の僕はそれをただ、


『他人の気持ちを考えないから』


『他人に共感できないから』


『他人の気持ちに鈍感だから』


『自分の気持ちばかり優先してるから』


と考えてた。


『自分勝手な人だな』


と思ってたんだ。でも実際には、自分のやり方が拙いから駄目なんだって彼女は思ってたみたいなんだよ。ただ、それでも上手くできなかっただけ。他でもない僕が、


<ものすごく扱いの難しい人間>


だったから。


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