その生徒の保護者は、なんと言うかすごく扱いが難しい人で、だから学校側としては厄介事を避けようとして、言いなりになってくれそうな方に譲歩させようとしたらしい。

だけどさすがにそんな露骨で理不尽な態度には、結人（ゆうと）くんの保護者を務めてる女性も腹に据えかねて反発して、警察沙汰にまでする覚悟を見せたって。

すると学校側は、

『それだけはやめてほしい』

と、恥も外聞もない懇願を。

それにはもう呆れるしかなかったことで、逆に気持ちが冷めてしまって、どうしようかと思案していた時に、彼女は僕と再会したんだ。

と言うのも、彼女は、鷲崎（わしざき）織姫さんは、大学時代の僕の知人だったんだ。

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