達の手記

疑う余地もない

大希（ひろき）くんも、沙奈子（さなこ）や千早（ちはや）ちゃんとは違った形で大変な境遇にある子だった。

なのにそれを感じさせない朗らかさ穏やかさを持った子なんだよ。

それが彼のお父さんに依るものだというのは、疑う余地もない。

見ているだけでもそれが分かるんだ。だから僕も、それを手本にしようと思ってる。

もちろん、彼と沙奈子は別の人だから、そっくりそのまま真似することはできないのも分かってる。子供を立派に育て上げたという著名人の著書とかを参考にしてそのまま同じようにしても必ず上手くいくとは限らないのと同じだよね。

それで上手くいくなら、この世界には立派な人がそれこそありふれてるはずだから。