臆面もなく口にする人も
『たとえどんな親でも、親は親だ。自分をこの世に生んで育ててくれたことに感謝するべきだ』
そんなことを臆面もなく口にする人もこの世には少なくないみたいだけど、僕にはそんな実感なんてまったくなかった。
『この世に生んでくれた』
なんてこれっぽっちも思えなかった。だってあの人達には兄だけいれば良かったんだからね。僕はそれこそただの<邪魔者>でしかなかったんだ。それでどうして<感謝>なんてできるの?
そして、成り行きだったとはいえ
<血の繋がった自分の子供>
も育てる<親>に、僕自身もなった。
でもね……
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