僕にその選択をさせなかったのは
『人間は結局、他人と関わらずに生きていくことはできない』
と教えてくれたのは沙奈子だった。まったく思いがけない形で一緒に暮らすことになって、無視するわけにもいかなくて、その上でどうすればいいのかを考える機会を、彼女がもたらしてくれたんだ。
彼女を僕の部屋に捨てていったのは、彼女の血縁上の父親である僕の兄だけど、それだけなら僕は彼女を施設に預けてしまうこともできた。あの時点の僕には、普通に考えて、いきなり子供を養育できるような状態じゃなかったからね。
でも、僕にその選択をさせなかったのは、沙奈子自身なんだよ。
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