ようやく家族が揃ったことを

玲緒奈れおなを迎えた僕は早速、彼女を抱いて二階のリビングに上った。うちの階段はまるで梯子のように急で、絵里奈えりな玲那れいなや、ましてや沙奈子さなこにしてもらうには厳しいと思ったんだ。だから玲緒奈を連れての階段の上り下りは僕の役目。なにより万が一のことがあった時には僕自身の責任ってことになってくれた方がずっと気が楽だし。


一歩一歩確実に階段を上る間も、玲緒奈はぐっすり眠ってくれてた。その様子がまた可愛くて。


階段を上り切ると、そこにはベビー布団が敷かれたリビング。玲那が用意しててくれたんだ。


そのベビー布団に玲緒奈をそっと下ろすと、ホッと一息を吐く。本当によく眠ってくれてる。堂々としたものだ。


そんな玲緒奈を取り囲んで、僕達はようやく家族が揃ったことを実感して噛みしめてた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る