第68話 整地までちゃんとしたよ
「……何なんだこれは?」
「ダンジョンの樹海は排除したんですよ」
真っ平らな大地を前に我々は立っていた。
ディアナを初めとしたベルフォード学園の面々と鎧の魔物っ娘が呆然としていた。
朝も早い時間なのでいる面子はディアナ、アルティエ、ラビス、シフォン、それにリエール、エコー、ラナミスである。
…デュミナ? ヤツはベッドでヨダレを垂らして寝取りますよ、早起きとか無理とのことである。
「……樹海が…消えているな」
「真っ平らですね…」
ラビスとシフォンである、樹海と魔物を排除したので整地までちゃんとしたよ。褒めてくれても構わないですぜ。
「まさか昨日の夜からずっとこんな事を?」
「流石は我が師、感服する他に感想がありません」
ディアナは夜更かしした事に不満でもあるのかね? そしてアルティエは完全にテキトー言ってるな。
「ラベル様のする事に、リエールは何も文句はありませんとも」
「いや少しは止めるべきかと! コイツは自由にさせたら本当に何をするか分からないヤツですよリエール様!」
「……ラナミス、落ち着いて。起きてしまった事を今さら言っても仕方ないわ、今後ラベル……様の行動を注視するのよ」
リエールはともかく鎧の魔物っ娘二人の用務員おじさんの評価が低い。いっそ『星魔の塔』も魔法で攻撃して破壊してた方が良かったのかな?
けどそんな真似をすると正規ルートでのダンジョン攻略が出来なくなってしまうし…難しい所である。
「これであの塔までの移動に危険はないと思われるます、魔法での移動が出来ない人達もいますので歩きやすい様に整地したんですよ」
「ダンジョンを歩きやすい様に整地するな! お前はダンジョンを何だと思って…」
「……ラナミス」
「っ!? もっ申し訳ありませんリエール様、出過ぎた物言いを…」
「お前ではなくラベル様です、言葉遣いも改めなさい」
「………ハッ!」
「別に気にしてませんよ?」
ラナミスはあの毅然とした感じが良いとの説もある、そもそもイヤイヤ丁寧に接してますって感じを出されるくらいならお互いに気兼ねなく会話できる方がずっと良い。
取り敢えず整地完了の報告は終わった、我々はセーフティポイントへと帰還して朝ごはんである。
そしてセーフティポイントの食堂にて、我々は朝ご飯にありつく。
料理は以外すぎることにベルフォードの学園の女子学生や女教師が行っていた。
先の腐ダマとの戦い以降、自分達の現状をより理解したらしく、それぞれが自分に出来る事を模索し始めたのだ。
無論用務員おじさんや船員の野郎達が腕を振るった漢の手料理がお気に召さなかった可能性も否定は出来ないけど…。
元から子供の頃から様々な教育を受けている貴族の令嬢様方である。
嫁いだ時のことを考えて料理とかの技術も知識も当たり前の様に持っていたのには驚いた。
……ちなみにディアナとラビスは料理スキル【壊滅】を所持している事が発覚しリエールから調理場への出入りを禁止された。
リエール曰く『……失せなさい』との事である、スッパリ切り捨てられた二人のあの青ざめた顔は今思い出してもウケル。
「今日の朝ごはんはトマトスープとベーコンエッグと焼いた魚か」
「……この食材は何処から来てるのですか?」
「分からん、まあ気にしても仕方がない事だろう」
「そうですね、栄養価が高くその上美味しいのなら文句などありません」
もぐもぐパクパクと食べてやがるお二人さん。
あんな過去などなかったかの様に朝ごはんの席につく二人を見る用務員おじさんにはコイツら神経ホントに図太いなと言う思いがあった。
もりもり食ってんじゃないよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます