第38話 奮闘おじさん
【名前:ラナミス】
【種族:
【HP:12000/12000】
【ATK:6000】
【DEF:9000】
【
拳銃使ってくる上にその銃は魔法の拳銃らしい。
弾丸に魔法が付与されていて状態異常を与えてくるタイプか、ますます騎士っぽい見た目とはかけ離れた陰険な戦い方をする姑息ナイトである。
こんな奴相手に遠慮は要らないな、用務員おじさんは攻撃魔法をかました。
「これでも食らって下さい!」
「………無駄だ」
俺は『水流波』の魔法を発動、ラナミスとやらは盾で魔法を防ごうとしていたので盾じゃ防げない魔法を使わせてもらったよ。
「ちっこれは水か……!」
「水を盾で防ぐには量が多いでしょう? 更にこれでは如何ですか!」
続けて発動するのは『氷結陣』、安定の足止めコンボである。身体を氷付けにされれば魔物と言えどそう簡単には脱出は出来ない。
今のうちにそそくさとディアナに肩を貸してアルティエとやらの方に向かう、最早隠す余裕もないので『飛行』の魔法で飛んで移動した。
無論ディアナに近づい時に彼女の傷を確認、脇腹か。俺は『治癒』の魔法を発動して傷を治す、銃弾は傷が治ると同時に体外に押し出されて出血は止まった。
「ちっこの魔法の氷、かなり強固で剥がれないぞ!」
「………人命優先、悪くない判断ね」
向こうの騎士団長様は部下を助けるつもりはないみたいだ、上司は騎士道精神とか持ってるタイプなのか? 或いはあのくらいじゃあの姑息ナイトはビクともしないと言う信頼か。
どのみち一斉に来られたらヤバイので助かるよマジで。そしてこちらはアルティエの元に気絶したディアナを運搬成功である。
「おっお前は用務員じゃないのか? 何故ただの用務員が魔法を……」
「話は後で、それよりもディアナさんの様子を見て下さい」
ディアナを見る、『解析』の魔法の情報が正しかったらしくディアナの身体に青いアザの様な物が浮かんでいた。
何らかの毒か? アルティエに心当たりがないか聞くが彼女は首を横に振る。
取り敢えず回復魔法だ、『治癒』を唱えた。
するとディアナの傷口から弾が出て来て傷口が消える。ただ『治癒』では毒までは回復しない。
アルティエが分からないなら知ってるであろう姑息ナイトに聞くしかないか、見れば自力で身体の氷を破壊して『氷結陣』から脱出していた。
「少しはやるようだな、人間風情が…」
「相手を見下すのを癖にするのは辞めた方がいいですよ?」
「黙れ! 恥をかかされた礼はこれで返すぞ!」
そして姑息ナイトは拳銃をバンバン撃ってくる、本当に剣とか使ってこないんだなこの子、あっちなみに声は何故か女性らしい。
用務員おじさんは『魔法反射』を唱えた。
コイツは余程強力な魔法じゃなければ大抵の攻撃魔法を仕掛けてきたヤツに跳ね返すとても便利な魔法である。魔法の拳銃の弾丸もゲームじゃ魔法攻撃判定だったので多分いけるのではと試してみた。
放たれた銃弾は薄く青い燐光を発していた、魔法攻撃のエフェクトに見えなくもない。
こちらの魔法のバリアに銃弾が当たると速度はそのままに敵さんに跳ね返った。
ここで一つ追加で説明する事がある、『魔法反射』で魔法を跳ね返すとその魔法にホーミング仕様が付与されるので銃弾全部が姑息ナイトに素っ飛んで行く。
しかし向こうも『魔法反射』くらいは知っていたらしく盾で顔をガードして弾丸を防いだ。便利過ぎる魔法って有名過ぎて対処されるのが速いんだよね~。
けどね。少しだけ怒ってる用務員おじさんを視界から少しでも見えなくするとか良くないと思うよ?
俺は『音速の歩法』を唱える、これはまあゲームのステータスで言う所のAGIあたりを爆上げする魔法である。
マジで音速かも知れない速さで姑息ナイトに接近する、盾でガードした一瞬で目の前に用務員おじさんが来ていたからなのか、姑息ナイトが小さな声で『ヒッ!』て小さな悲鳴をあげた。
用務員おじさんの心に大ダメージだよ。
ここで一気に決める。
俺は『破砕の雷』を発動した、防いだって事はやはり金属製鎧に雷は効果抜群だからだと思うからだ。バリバリしてるうちに更に魔法をコンボする。
『風塵の刃』を胴体にぶつける、傷一つつかないか。流石に魔法に対する防御力も高いな。
しかし目的は倒す事じゃない。一発かます事は出来たのでそろそろ決めるか。
「キッキサマ!」
「貴女にはディアナさんに何をしたのか説明してもらいますので、しばらくは生かしますね」
『拘束』の魔法を発動、姑息ナイトが金縛りにあった様に身体を動かせなくなる。
地面に倒れる姑息ナイト、用務員おじさんはその隣に悠然と立つ。
「まさか、あの騎士の魔物を無力化するなんて……!」
「いえっ安心するのはまだ先ですね」
アルティエの反応に対して対応する用務員おじさんである。もっと褒めて~。
そして姑息ナイトが無力化されるのを確認した他の紫骸鎧が騎士団長様を残して残りが突撃してきた。
来んなよ。
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