青の奇跡
Rie✡
第1話
僕には昔からコンプレックスがある。それは、
周りと瞳の色が違う事だ。黒色でも茶色でもなく
青空の青色と同じ色に産まれてきた。
小さい頃から、変な色だの、外人だの、散々とからかわれてきた。だけど 両親の 特に父親の瞳の色が青いのを知り、僕はイジメに負けずに 育った。
そうして、小学校、中学校、と時は過ぎていき、
今日から 高校1年生になる。
僕の名前は 春田 青。(はるた・あお)
名前の由来は瞳の色が青いのと
青い空みたいに 広い心を持つ 素晴らしい人になって
欲しい。そうゆう願いを込めているらしい。
「あ~お!! おっはよ」
「ふぁぁ・・・鳴海 おはよ」
毎朝、決まった時間にスマホにモーニングコール。
これは僕がめちゃくちゃ朝に弱い為、幼なじみで同じマンションに住んでる 鳴海、こと、秋月 鳴海(あきづき・なるみ) に昔から頼んでいる恒例行事である。
鳴海は僕がまだ 2歳の頃に 僕の住むマンションに
越してきたらしい。僕は覚えていないけれど、
鳴海は 僕の青い瞳を見て 「綺麗なおめめ!!」と
にっこりと笑ったらしい。
それから、僕は何気に鳴海と一緒に過ごす日が多くなり、気付けば毎朝 モーニングコールを頼む程に仲良くなっていた。鳴海は中性的で女顔の僕とは違って、
羨ましいくらいにかっこいい顔立ちをしている。
そんな鳴海は鳴海なりの悩みがあるらしく、最近の
もっぱらの悩みは女の子っぽく見られないのが嫌らしい。中学の卒業式で密かに憧れていた陸上部の先輩に告白したら、男だと間違われて断られたらしい。
それを聞いた僕は鳴海が不憫に感じた。
「大変だね、鳴海も。。」
「本当だよ、何で見た目で判断するかな」
そう、僕と鳴海にはちょっとした共通点がある。
それは僕は瞳の青い色や女顔で女の子に見られる事。
鳴海はかっこいい顔立ちのせいで男だと間違われる。
けれど仲の良い幼なじみ。それ以上でもそれ以下でもない。僕と鳴海は同じような悩みを抱える同士だ。
たまに街を歩くと男女逆転のカップルだと間違われたりするけど、お互い何にも気を遣う事がないから、
他の誰よりも一緒にいて楽な存在だった。
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