カノジョに浮気され自殺を決意した俺、せっかく死ぬならと美少女たちに告白したら全員オッケーで修羅場と化す

さい

彼女に浮気されました

 死にたい。

 死んでこの世界からなくなってしまいたい。


 五月二十日日曜日、俺、春山士郎は幼馴染で学年一可愛い彼女である霧島紗倉が浮気をしていたことを知った。

 今日は俺とデートの約束をしていた、だが紗倉の方から前日に用事ができたとキャンセルされたのだ。

 なるほど、これが理由だったのか。

 相手はザ・イケメンの……彼を俺は知っていた。

 同級生の神本亮介だ。

 勉強をするために図書館へと向かっていたがここの道を通らなかったら幸せだったかもしれない。

 二人は恋人繋ぎで仲睦まじく歩いていた。

 紗倉の笑顔は俺といる時よりも自然だった。

 俺はいつのまにか紗倉に作り笑いをさせてしまっていたのだと知った。

 まだ見かけた、それで終わればよかった。

 でもそうはいかなかった……。


「……あ」


 二人と図書館で鉢合わせしてしまったのだ。

 最悪なかったことにしたかった、けれどこれじゃ……。

 

 気まずそうに俺をみる神本亮介。

 これは完全なる黒だ。

 俺の勘違いなんかじゃない。


「士郎、違うの! これは……」


 誤魔化すのは無理と気付いたようだ。


 紗倉は下を向き。


「ごめん……士郎、私別に好きな人ができました。私と別れてください」


 こうして俺の恋愛は散った。


 家に帰り、俺は自室に籠る。

 両親は仕事でいない、妹は部活でいない。

 つまり今はこの家にいるのは俺だけということだ。

 存分に。


「泣いてやるよおおお!」


 ちくしょう。

 確かに俺は紗倉と釣り合ってない。

 そんなの十分承知だ。

 でも、愛は俺が一番だったはずだ。

 紗倉と初めて出会ったのは幼稚園の時だった。

 親が紗倉の親と仲が良くそこから俺たちも仲良くなっていった。

 中学二年、今から三年前の頃に付き合い始め、中学三年の頃には肉体関係にもなった。

 俺たちは愛し合っていたと思った。


「でも違った……くそおおお!」


 床に向かって思いっきり殴りかかる。


 ポロポロと大粒の涙が溢れだす。


「泣かないって決めたのに……くそぉ。紗倉……」


 自分が紗倉への愛が重いことなどわかっている。

 そのくらい紗倉が好きだって。

 人を愛することに重いなんてあるはずがない。

 

「ああ、バカげてるな……」


 死のう……。

 このまま生きてても……。

 紗倉が恋人じゃない人生なんて……。


「……いや」


 ポケットからスマホを取り出し、トークアプリを開く。


「どうせ死ぬなら……」


 二年A組のグループを開き、メンバー一覧を見る。

 そして五人の女子アカを友達追加する。

 彼女たちは全員紗倉に続く美少女たちだ。

 男子人気はとてつもなく、黄金のクラスと呼ばれている。


「全員に告ってから死ぬとしよう」


 どうせ誰も無理に決まっている。

 でももし、だれかオッケーだったら、俺は生きる目的を見つけ出せるかもしれない。

 とにかくだ、いまの俺に空いた穴を埋めるにはこの誰かと彼女になる以外方法はない。

 ま!

 無理なんですけどね!


 紗倉、やっぱり俺の一番は君なのかもしれない。

 重いってわかってる。

 わかってるけども!


 涙を手の甲で拭う。


「……よし、もう紗倉のことは忘れよう。あいつは今頃……神本と……シてるかもしれないな……ダメだ、忘れよう」


 こんなにも紗倉を愛してたなんて自分でも引くレベルだ。


 俺は再度スマホに目をやる。



『ずっと前から好きでした! 俺と付き合ってください! オッケーなら明日、放課後、屋上に来てください』



 コピペをして五人の美少女に送りつけた。


 どうせ誰も来ない。

 気持ち悪いと思われているに違いない。

 誰もいなかったら飛び降りるとしよう。


 こうして俺はスマホの電源を消した。


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