第11話

翌日、シレンティウム・第21軍団庁舎




「辺境護民官殿忙しい所をすまん。喧嘩だ、仲裁をお願いしたい」


「なんですって?」




 エルレイシアやドレシネス老と執務中であったハルは、ベリウスの言葉に驚いて声を上げる。




「兄のへリオネルとレイシンク殿が喧嘩に加わってしまって収拾が付かない。オラン人とクリフォナム人の衝突に発展しかねないからと思って呼びに来た。すぐ来てくれ」


「分かりました、先任は?」




 焦るベリウスの声にハルは椅子から立ち上がりながらアルトリウスの所在を尋ねる。




「今は農業指導に出かけているそうだ……」


「すぐ行きます!エルレイシアさん、申し訳ないが力を貸して下さい」


「はい、お任せ下さい」




 アルトリウスは不在であり、他に手立てが無いとは言え太陽神官の力を借りるのは今後の都市行政を考えれば得策では無いがこの際である。




「現場は工芸区画の中通りだ」




 ハルは護衛杖を手にし、急かすベリウスの後に続いてエルレイシアと共に喧嘩の現場へと向かった。
















 ホーを送り出し、セミニア村の難民達を受け入れてから今までは特に騒ぎも起きず、シレンティウムの噂を聞きつけたオラン人やクリフォナム人が時々移住に現われたり、農作物や衣類、調理器具や刃物など生活用品を売りに来るようになった。


 農地では季節が遅かった事から小麦の作付けは出来なかったが、地力を回復させる作用のある大豆や家畜飼料となる牧草の栽培が行われ始めている。


 シオネウスの民達は種や家畜をある程度連れての移住であった事に比べ、避難民でしかないセミニア村のアルマール族が少し後れを取っている以外は特に問題無く、移住は非常に順調であった。




 農機具や作物の種子などはハルが倉庫に保管されていた物をアルトリウスに開封してもらって放出したが、種子については借り過ぎや転売が生じないよう無利子ではあるけれども返済期限を設けている。


 また、工芸区では鍛冶に木工、縫製などの職人達が腕を振い始めていたが、当分の間仕事はハルが一括して依頼する形を取り、族民の区別無く共同作業をするようにして融和を図ってもいる。


 ちょくちょく小さなトラブルは生じていたものの、ヘリオネルとレイシンクの合意で仲裁や裁定を行わせる事にし、一応の解決窓口を作ったりもした。


 交流は徐々に進みつつあったので順調に来ているかに見えていたが、ここに来て双方の民族感情の間に溜まった歪みが露わになってしまったようである。




 ハルがベリウスの先導で現場に着いた時周囲は騒然とし、それぞれ5名の男達がレイシンクやへリオネルを含めて睨み合っている状態で、付近には野次馬も集まっていた。


 オランやクリフォナムの戦士もいるが、ここで無理に仲裁に入れば火に油を注ぎかねない状態である為か手を出しかねているのが分かる。


 ハル達が現場へ到着すると同時に、制止を振り切って当事者らしき2人が互いに掴み掛かろうとした。


 その瞬間ハルが飛び出して問答無用で護衛杖を振う。


 がつんというもの凄い音と共に今にも殴り合わんとしていた2人が目を回して睨み合いの真ん中へどさりと倒れると、周囲の目がハルとエルレイシアに向いた。




「静まりなさい、何事ですか!」




 凛とした気合いの入った太陽神官たるエルレイシアの言葉に気勢を削がれる当事者達。


 それを見計らってハルが命令を下す。




「へリオネル、レイシンク、それぞれの当事者を連れて執務室前まで来るんだ。いいな?」


「……ああ」


「……分かった」


「他の者達は解散だ、居住街区へ戻れ!」




 ハルは2人返事を聞いてから周囲に集まっていた者達を解散させる。


 皆がハルの意外な強さと気迫に呑まれた所もあり、集まっていた人間はゆっくりと東西に別れていった。
















「それで、何があったんです?」


「いや、きっかけはほんの些細な事みてえなんだが……」




 ハルの執務室に連行されたのは両方とも木工職人で、若いクリフォナム人の男と中年のオラン人の男。


 ハルがした質問にまず答えたのは口をゆがめたレイシンク、その言葉に若いクリフォナム人が反応する。




「お、俺じゃ無いっ!俺は借りた道具はっきっちり返した!」


「馬鹿いうな、一番大事な彫刻刀を盗りやがって!1本てところが浅はかなクリフォナム人らしいぜ!」


「何おっ!?」




 馬鹿にしたような口調で応じたオラン人の男にくってかかるクリフォナム人の男。




「また目を回したいのか?2人とも……こっちはいつでもいいぞ」




 立て掛けてあった護衛杖を取ったところ、顔を青くして黙り込んだのを見てハルは護衛杖を元の場所へと戻して冷静に質問した。




「その道具はどこにあるんです?」


「ここにある、中を改めてみるか?」




 へリオネルが袋を示しつつその袋の口を開こうとすると、若いクリフォナム人の男が慌てて言い立てた。




「ま、待ってくれ辺境護民官様!そいつにやらすんじゃ無くて、せめてあんたが確かめてくれ!」


「なに?」




 怪訝な表情で動きを止めるへリオネル。




「……へリオネルの野郎、俺がいない間にこいつの言い分聞かずに懲罰与えようとしやがったんだとよ。で、ウチの方の連中と揉めたって訳だ。だから確認は中立の人間にやって貰いてえ」




 ハルが首をかしげると、レイシンクは苦虫をかみ潰したような顔で説明する。


 それを聞いたへリオネルは道具袋をハルへ突き出し、額に青筋を浮かべて語気鋭く言い放った。




「そう言うそっちは私がいないのを良い事に、先日喧嘩で自分の部族に有利な裁定をしただろう!」




 これで理由はある意味はっきりしたが、睨み合う2人の族長にハルは頭を抱える。


 要はお互いに不信感を持っている為、お互いの裁定に信を置けないのだ。


 それに自分の族民を守る立場もある事から、どうしても自分側に有利な裁定をしがちである事は否めないのだろう。


 しかも一旦下した裁定は族長としての立場から退くわけにも行かない。


 そうした小さな歪みが今日の大げんかへと発展してしまったのだ。




「最初に約束したはずではないですか、こういった部族間の揉め事は勝手に自分達の族法で裁定をしないと」


「それはそうだが……ちょっとしたもめ事だぞ?」


「いちいち手を煩わせる事も無いだろう?」


「それが今日の大げんかに発展したんでしょうが!違いますか!?」


「「むっ……」」




 ハルの言葉に唸る2人。


 しかしこれはハル、と言うかシレンティウム行政府自体に問題があった。


 自前の治安組織も軍組織も持っていないからである。


 その為臨時で雇っているオラン人戦士50人とクリフォナム人戦士25人が現在のシレンティウムの防衛と治安を担っており、歪さは否めない。


 双方とも身内の取り締まりや外部の魔獣等からの防衛には力を発揮しているが、こういった族民間の争い事に関わらせてしまうと、下手に武力を持っているだけに収拾が付かなくなる恐れがあった。




「うう、手が足りないなあ。どうすればいいのか……」




 ハルが頭を抱えて悩んでいると、場の雰囲気にそぐわない笑い声を上げながらアルトリウスが現われた。




『オラン人の農地は大分形になってきたである!まあ、小麦の作付けは地力が快復する再来年以降になるだろうが……おう?悩んでおるな。どうしたのであるか?』


「どうもこうも……手が足りないという話です」




 今日の騒ぎをアルトリウスに説明するハル、アルトリウスは事の次第を聞いて2人の当事者を眺める。


 その文字通り透き通った視線に晒されて息を呑む2人。


 ハルは一旦悩むのを止め、このもめ事を収めることにして口を開いた。




「では、中を改めますよ」




 ハルがヘリオネルから受け取った道具袋の中を改めると、果たして無くなったはずの彫刻刀はその中に入っていた。




「すいませんっ!!」




 ハルが彫刻刀を取り出すとオラン人の男がいきなり土下座をする。




「なぜこんな嘘を?」


「う、嘘って言いますか……い、いや少し傷んでいたんです!それは本当です!それで……研ぎもせずに返してきた野郎にお灸を据えてやろうと思って……」


「言いがかりを付けたのかっ……!?」




 ハルの質問に洗いざらい自白するオラン人の男。


 それを聞いたヘリオネルがぶるぶると屈辱と怒りで拳を振わせながら男の襟髪を掴み上げ、真っ赤な顔で声を絞り出した。




「オラン人の、面汚しめ!!」


「す、すいませんっ!ほ、ほんのちょっとした悪戯心で!!」




 ばんっとその男を殴って地面へ放り出し、ヘリオネルはレイシンクと疑われた若い男に謝罪した。




「申し訳ない、こちらの調べが甘かったようだ……謝罪する」




 若い男は安堵の表情を浮かべ、レイシンクも皮肉気な笑みを浮かべてはいるものの揉め事が終わった事で一応満足しているのか何も言わない。


 そして、次いでヘリオネルが口にしたのは謝罪と男の処分についてであった。




「すまん、この男はウチで族法で処分を受けさせるが良いか?」


「ああ、いいぜ」




 そしてレイシンクはヘリオネルの決定に同意した。




「駄目です、この件はこちらで預かることにします」




 しかしヘリオネルとレイシンクの間で処分について合意が為されようとした時、ハルがきっぱりとそれを遮る。




「この件はシレンティウムの行政府が処分を降します」














 シレンティウム・第21軍団庁舎




『さて、これでまた司法という厄介な仕事が増えるであるぞ?』


「それはそうですが……これ以上自治組織に任せていては、ただ仲の悪いオラン人とクリフォナム人の村が都市跡に存在するだけになってしまいます。都市全体の為にもなりません。まあ実際行政府として動くには手が足らないのは事実ですが……」




 アルトリウスのからかうような声色に仕方ないと言った様子で答えるハル。


 結局騒ぎを起こした男は、見張りを付けて数日間食事抜きでの入牢とした。


 そしてこれからは部族の自治に任せていた都市内の揉め事の仲裁や裁定を、ハル自身が行わなければならなくなった。


 悩むハルをアルトリウスは話があると執務室へ呼び出す。




『1つ、知恵を貸してやろう』


「どんな知恵ですか?」




 ハルが執務室に入ると待っていたアルトリウスが窓際から声を掛けてきた。


 日は既に落ちており、窓際からは月明かりがアルトリウスの身体を抜けて部屋へと差している。




『ハルヨシよ、お主は何処の辺境護民官であるか?』




 ハルはアルトリウスの質問に首を捻る。


 何をわかりきった事を聞くのかと思い、答えようと口を開きかけるが、途中ではたと気が付いた。




「……それは西方帝国の、あ、そうか!」


『よくぞ気が付いたであるな、そうであるぞ』




 満足そうに頷くアルトリウス。


 アルトリウスが示唆しているのは帝国軍を利用する事。


 辺境護民官には帝国軍の派遣要請と一時的な指揮権が付与されている。


 一時的とは言っても、なにぶん辺境での事である為期間は特別設けられているわけでは無い。


 永続的にならないようにすれば良いのである。


 さらに帝国軍は、今までの西方諸国やセトリア内海諸国の軍隊には無い特殊な技能を持っている。




 それは建築能力である。


 西方統一を目指した西方帝国は軍に設営能力だけでは無く都市や街道の設計、建設の能力を持たせた。


 帝国軍はこの能力のお陰で占領地確保や防備、植民や行政に至るまでが速やかに開始できるため、破竹の勢いで勢力圏を広げられたのであった。


 今は国境防備が主任務の守備的な性格へと変革を遂げつつ有る帝国軍ではあったが、伝統は受け継がれており、辺境都市では都市の補修や拡張の際は帝国軍に依頼して行う事が一般的である。


 事実、アルトリウスのハルモニウムを築いたのも彼が率いた第21軍団の兵士達。


 ハルはついでに今まで疑問に思っていた事を質問してみる事にした。




「そう言えば……先任達はどうやってこの都市の整備をしていたんですか?」


『うん?おお、その事か。何、整備と言ってもゴミ掃除や野獣狩りに草刈り程度である、何ほどのこともしておらんぞ?』


「いや、それをどうやってやっていたのかと言う事なんですが?」




 何を聞くのかと言った風情のアルトリウスにハルは質問を重ねる。




『ふむ、方法か……草や木は都合の悪い所に生えてきたのをよってたかって精気を吸い取ってしまうと枯れるし、ゴミも同じだ。残っている精気を吸い取れば砂になってしまうのである。野獣は定期的に囲んで狩りをして精気を吸い取る……とまあ、我ら死霊には簡単な方法である。しかし、精気も何も無い砂や土だけはどうにもならんであるし、石を磨くことも出来ん。表面に生えた苔や黴は何とかなるのであるが……』


「それで……なるほど」




 赴任時にやたら綺麗だった都市の理由が分かった。


死霊ならではの方法で“都市整備”をしていたのだ。


 ハルは、死霊が魔獣狩りをしている光景を思い浮かべて少し背筋が寒くなったが、木や草、苔からそっと精気を吸い取っている姿を想像して笑みを浮かべた。


 そして怪訝そうな表情でこちらを見ているアルトリウスに気付き、気を取り直して向き直る。




「しかし……信用に足り、協力してくれる軍人がいますかね?先任の頃ならいざ知らず、今の帝国軍は結構酷いですよ?」




 ハルが苦々しく言うと、アルトリウスも苦笑した。


 国境防衛隊などは周辺部族から略奪を繰り返しては、自分の昇進と引き替えに賄賂として貴族に貢ぎ物をしたり、自分が所属する派閥の軍資金稼ぎの為に略奪品をせっせと中央の軍高官へ贈ったりしている。


 とても信用に耐えられるとは思えないし、そのような者達では心身共にさび付いていて使い物にならないだろう。




『我の弟子が1人、いると思うのである』




 アルトリウスが人差し指を立てて言った。




「先任の弟子ですか……失礼ですが、まだ生きているんですか?」


『我らが屯している間にこちらへは来ておらんかったからな、今や60過ぎの老いぼれになってはいるが、まだ生きておるだろう』




 そう言いアルトリウスが告げた名前にハルは聞き覚えがあった。




「その人は……ここに来る時に通った、北方関所の守備司令官でしたよ?」


『そうか……ふふっ、あやつめ。まだその様な近くに居座っておったか』




 ハルの答えにアルトリウスは親しみを持った声を漏らした。




『もし人違いで無ければ、北方関所に詰めて最早40年以上になるであろうな。人並みに栄達を求めれば今頃中央の将官の1人ぐらいにはなれたものを、我ごときに関わったが故に棒に振ってしまったようである……あやつが今の帝国軍司令官の1人になっておれば、帝国軍もハルヨシの言う程酷くはならんかったであろうなあ……』




 アルトリウスの言葉は歎きが多分に含まれてはいたが、自分の知る者が未だ帝国軍にいる事への嬉しさも少しあるようで、かすかではあったが微笑んでいる気配が感じられる。




『直接上司部下の関係であった期間は非常に短かった故に、我の弟子と言う位置付けになろうか?とにかく馬の合う後輩であった。我が援軍無きままハルモニウムを失陥せしめたとき、ただ1人援軍派遣を主張して冷や飯を食わされてしまったのであるな……責任感の強い真っ正直な男で、おそらく我を救えなかった事を悔やみ、あの当時の地位から動かずに引きこもっておるのだろう。上手く引っ張り出せれば大きな力になるのである』












翌日早朝、シレンティウム・第21軍団庁舎




 アルトリウスの呼び出しにエルレイシア、レイシンク、ヘリオネルの3人が執務室へと現われた。


 既にアルトリウスは部屋の中にいるので、これでシレンティウムの首脳陣が全員そろった事になる。


 全員が揃った事を見て取ったハルが口を開いた。




「都市の機能強化の為に帝国軍を招請します」


「何だと!?」


「……本気か?」


「何か考えがあるのですか?」




 レイシンクは眉を顰め、ヘリオネルは動揺と嫌悪感を隠そうともしない。


 ただエルレイシアだけがアルトリウスの立ち位置を見て何かを察し、ハルに質問を投げかけた。




「当面は都市建設……と言いますか、都市再整備の人手不足を補う為です」


「では、その先は?」




 ハルの答えにさらに質問を重ねるエルレイシア。




「都市の治安向上と行政力強化が狙いです。今のままでは人手が足りず行政機能の向上は望めませんので」


「我々だけでは無理なのか?出来れば……帝国の辺境護民官殿には言い難いが、出来れば帝国軍とはあまり関わり合いになりたくない」




 ハルが発した再度の答えに、ヘリオネルが苦虫をかみ潰したという表現が軽く思えるくらいの渋面を作り、唸るように抗議めいた口調でハルに言う。




『昨日の事態を見れば自らだけでの対処が限界である事は自ずと分かるであろう。公正とは言わずとも中立な者達が必要では無いか?』




 アルトリウスの言葉に黙り込む2人の族長。


 確かに昨日の件では仲裁に回るはずが何時しかお互いの族民の肩を持ちトラブルの渦中に入ってしまっていたからである。


 レイシンクは腕を組んで思案顔でいるが、その鋭い目はハルとアルトリウスに注がれている。




「昨日のように直接の遣り取りから発展したトラブルであれば、理由がはっきりしているだけにその解決を図れば族民間の喧嘩でもまだ対処のしようがあります。しかしこれが一方的な犯罪になった場合、例えば殺人や重傷傷害でどちらかが証言が出来ない、あるいはトラブルの元が分からなかった場合、互いへの過剰な攻撃合戦や暴動に発展する恐れがあります。市民同士の紛争は長く、そして根深くしこりと怨恨を残すといいます。これは事前に防がなければなりません」




 レイシンクが腕組みを解き、ハルへ質問する。




「で、どこの帝国軍を呼ぶんだ?」


「西方帝国国境警備隊、東北管区の関所司令官、デキムス・アダマンティウス将軍です」




 ハルの答えに、レイシンクはにんまり笑みを浮かべる。




「ほう……なるほど、奴ならよく知っているぜ。帝国人にしちゃ珍しいくらいの好漢だって話だ。アルマール族の連中は商売で帝国へ行く時に必ず奴の関所を通るが、悪い話は一切聞かない。配下の兵士達も最近では珍しいくらい堅物で公正らしいからな、俺は賛成するぜ?」


「私も賛成します。理由は同じです。私が生まれるより前から関所を守っておられるそうですけれども、クリフォナムの民との衝突やトラブルは聞いた事がありません」




 レイシンクに続き賛意を表明するエルレイシア。




「……不安はあるし帝国軍は嫌いだが、辺境護民官殿の方針であれば反対はしない」




 最後にヘリオネルが渋々同意する。




『では決まったな……ハルヨシよ、招請書の文面は任せるのである!格調高く、勇壮な軍隊文書の神髄を見せてやるのである!』


「いや、そんな張り切られてもですね?実際に書くのは自分ですし……あんまり面倒くさいのは……」


『良いから言うとおりにするのである!』




 こうして一部暴走する鬼将軍の姿があったが、シレンティウムは帝国軍を招請する事が決まったのであった。


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