まだこれは未定であり、きっとこの先も未定のままだ
Reign
第1話 未来は未だ来ていないから、未来だった
これはとあるちっぽけな1人の人間の話だ。
季節は4月に移り、昨日まで実感がなく、大海を浮遊しているような気分だった私は、そいつを連れて学校に来ていた。新しく学校が始まり、周りは誰も私のことを知らない。机も椅子もエアコンもこの校庭の桜も、みな初対面である。
過去の一見を堺に私は遠い遠い街に住まいを移し、つい先日この地を一周したばかりだ。
朝、学校に赴くと、同年代が蕾を残した桜の下で写真を撮っていた。
実に青臭い。上っ面だけの友情ごっこ。
そんなものは修学旅行で好きな人が被り、お互いの本性がむき出しになった末、最後を迎えるのが良いところだ。
扉をくぐり、純白の靴に足を包み替え、歩を進める。
かろうじて引きつった笑顔で、喧騒な世界へ飛び込んだ。
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