「そ、そうなの……どっちも正解だったんだけど……さすが非凡で異常なお付き合いをしたがっている雄馬ね、じゃあ足をつないで帰りましょう!」


 待ってくれ、これでは俺が積極的に非凡で異常なお付き合いを望んでるみたいじゃないか。やっぱり手をつないで帰りたい。


「セーブポイントが作成されました」


 そう言うと香奈子は、カバンから可愛いリボンを取り出して、自分の右足首と俺の左足首を蝶々結びにした。足がつながっている。これは……二人三脚だ。


 リボンを結び終わり立ち上がろうとした香奈子は、よろけて俺にもたれかかってきたかと思うと


「ポンっ」


と声に出しながら成る程と手を打った。


「わかったわ雄馬。この方が密着して帰れるから足をつないで帰りたかったのね!」


 確かにこの方が密着してるけど、みんなが下校している中を二人三脚なんて……。


 香奈子は上目遣いでニコニコしながら言った。


「非凡だわ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る