グサグサ

 グサグサ刺さる視線…

 

 さらに追い討ちをかけるように白雪さんは、

「今朝の一目惚れじゃないけどさ、運命なら

 わたし信じるよ」

 と言い出した。

 

 は?

 一目惚れ⁉︎

 運命⁉︎

 白豚ーーー‼︎

 白豚のくせに何美少女と恋バナみたいなこ

 としてんだよ‼︎

 的視線…。

 

 痛い…。

 視線が半端なく痛いっす…。

 

 オレは力なく

「運命…あー、そうね」

 と答えた。

 

 クッソーー‼︎

 

 オレがイケメン男子だったらもっとみんな

 の反応も違ったかもしんねーのにさー。

 

 あー、オレはなんで白豚なんだよーー‼︎

 と自分を恨む。

 

 …

 

 仕方ないさ。

 ま、豚は静かにしてますとも。

 

 オレは何事もなかったかのようにスンとし

 て前を向いた。

 

 すると男子どもも、所詮豚は豚だと思った

 のだろう。

 みんな我に帰り前を向いた。

 

 オレなんか敵にも値しない人間なのだ。

 いや、オレは人間に値しない白豚だ…。

 

 するとまた白雪さんが話しかけてきた。

 

「ねー、わたしこの辺初めてでさ。よかった

 ら帰り道色々案内して欲しいな」

 と放課後デートのお誘いを受けてしまった。

 

 

 ブンッと至る所から冷たい視線が刺さる感

 じがした…。

 

 あー、オレは友達を作るどころか敵をたく

 さん作ってしまったんじゃなかろうか…⁉︎

 

 …

 

「あ、放課後ね。うん、わかったよ」

「ほんと⁈ありがとう!」

 と無邪気に喜ぶ美女猫白雪さん。

 

 あぁ、あなたはなぜこんな白豚にお願いな

 んて…。

 

 …

 

 あ、豚だから恋愛対象にならないから色々

 扱いやすいのかもなー。

 

 ハハハー…。

 

 そんな痛い視線のシャワーを浴びて放課後

 を迎えた。

 

「それじゃあ、行こっか」

「う、ウッス‼︎」

 もうこうなったらヤケクソだ‼︎

 とことん美女に付き合おうじゃないか!

 どうせ恋愛対象外なのだから。

 

 と言うわけで美味しいお店を教えてあげた

 ら、まさかの一緒に食べようとお誘いを受

 けた…。

 

 えっ⁉︎

 白豚と白猫ちゃんが放課後デートみたいじ

 ゃん⁉︎

 不釣り合いすぎんだろーーー‼︎

 

 白雪さんは、オレと歩いていてどんな気持

 ちなんだろう…。

 

 …

 

 あ、執事的な?いや、オレはそんなにでき

 る男じゃない。

 じゃあ…ペット?

 豚をペットとして飼う人いたよな⁉︎

 まさか、

「ねー、白雪さん」

「ん?」

「なんか、ペットとか飼ってる?」

「うん。猫を少々」

「えっ、少々?」

「あ、二体」

 …

「二体…、なんか白雪さん言葉の表現面白い

 ね…」

「ごめん、ついはしゃいじゃって」

「あー、そうなんだ」

 …

 はしゃいだのか…。

 ってか、豚飼ってなかったか。

 

 オレって白雪さんから何扱いされてんのー

 ーっ⁉︎

 

 続く。

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