第42話

「まったく、騒がしいやつら」


全然遊べてないんだけどー!ナンパにひっかかりすぎ!


「私のせいですみません」


ナンパされすぎなのよ、まったく。


「気にしなくていいよ」


紗絵ちゃんは優しいのかなんなのか。


「ねー、お腹すいた!ご飯食べよーよ」


「雷は能天気だな」


「着替えてから落ち合いましょう」


勝手に決める紗絵ちゃん。

仕切り屋だ。更衣室では、


「ちょっとーじろじろ見ないでよ」


白い肌の痩せてる紗絵ちゃんにじーっと着替えを見られるという。


「ふーん、真奈さんってスタイルいいのね」


ふてくされた言い方をする。


「モデルさんは違いますね」


あんたグラマーでしょ?ったく!なんなのよ!


「さっさと着替えてよね!」


こいつらうるさいし!

それから落ち合い、食事に。


「よーし!ご飯食べよー!」


併設されたご飯屋さん。ここは水着で来てる人もいる。メニュー表にはカレーの文字。


「はー?この店カレーしかねぇのかよ」


先人め。私も見つけたのに。


「じゃあ帰る?あ、ごめん電話」


紗絵ちゃんはさっと電話に出た。


「今?うん、雷といるよ?帰ろうかどうしようか考えてた」


彼氏だろそれ。


「うわ、柚香から着信入ってるし!…もしもし?え、もう帰るって…わかった」


先人も嫁に電話。


「帰るのかな?」


「みんな忙しいからね、しょうがないよ」


「俺はカレー食べたいなー」


「私も、あ、真奈さんもどうですか?」


「え、あー、いいの?」


「もちろんです!」


「ごめん、帰るね」

「俺も帰る、悪いな」


揃って退散かよ。


「わかったよー紗絵ちゃんと一緒に帰りなよ!じゃねー」


「またね、真奈さん」


くそ、彼氏持ちめ!

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