声が導く

ほし

始まりの

どこからか聞こえる少年の声を聴いた。

その声は青くそして柔い。

「じゃあな!」というそれはただの挨拶だった。きっとその少年が自分の友人に向けたのだろう。

通学路前にあるマンションの4階まで響いた声は何とも言えない懐かしさに胸を突いてくる。

今では想像ができないほどの若い声を持っていたティーン時代。あの時は頬を刺すような冷たい風が吹いていた25年前の晩秋だ。

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