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「こっちです!」


 あれから急いで街に戻り、援軍を呼んできた。時間にして30分もかかっていない、その間に森では大きな光があがり、状況がどうなっているか分からない。


 辿り着いた先では、抉れた地面だけが残っていた。


「あ、あああああああ」


 やっぱり、貴族様と一緒に残って戦うべきだった。何ができたかなんてわからない。ただ戦わずして後悔するなら、戦って後悔するべきだった。


 その出来事は瞬く間に領地へと広がり、領民は悲しみくれた。


「お兄様……」


あるものは、悲しみに明け暮れ、涙を流す。


「彼が負けたのか……?」


あるものは、彼の実力より強い魔物が出たことに驚く。


「アーサー様が、死んだ……?」


あるものは、その事実を受け入れらず戸惑い。


「彼はこの未来を予測していた……?」


あるものは、大きく勘違いをしていた。

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