81

 俺の名前はカイン。今日は貴族様と一緒に、近くの森まで狩りに出ている。


 孤児院の院長はよく、貴族様に粗相のないようにと注意をしてくるが、僕たち孤児からすると優しいお兄さんぐらいの存在だ。今まで、怒ったところを見たことが無い。


 今もこうして、僕たちの狩りを見守ってくれている。


 解体に関しても、僕たちに任せてくれている。今後、僕たちだけで狩りに出た時に困らないようにと、練習を積ませてくれているのだ。解体作業に関しては、確かに少し気持ち悪い部分もあるが、これがお金に変わると考えれば我慢できる。マルコに関しては楽しいのか、少し嬉々としてやっている感じはあるが。


 狩りが終わり、素材を街に持ち帰る。初めて、自分たちで稼いだお金で買い物もした。貴族様がいうには、お金の使い方を覚えるのも大事らしい。


 孤児の他の子供から、冒険の話をねだられる。こうして小さい子供たちが、憧れ、冒険者を目指していく。俺は、貴族様が如何に凄いかを誇張なしに、他の子供たちに伝えた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る