35.

117.

このまま永遠に続きそうに思えたがそういう訳では無かった……。

今日はエルミアの誕生日でもあるということを知る。

だからこそエルミアの欲しいものをプレゼントしたいと考えたので本人に聞いてみると……。

「……あなたが側に居てくれればそれだけで私は幸せなの……だからね。

他には特に何も要らなかったりするんだけど……でも……敢えて言うのであれば……。

あ……あれね……? うーん……でも……言えるわけないわ……。

言えないわ……。あ……あれ……ね? うーん……どうしようかしらね……。

でも……言ってしまった方が……すっきりするか……な? うーん……あ……あれ……ね?」

と小声でボソッと言ったのが聞こえたから……気になる俺は質問をしてみることにする。

エルミアは、しばらく考えてからこう話し始めた。

「私の命が助かったのは全部、貴方のおかげだと思うの。だから、その……もし可能なら、

これから先ずっと……。永遠に。

傍にいて、助け合っていけたら……。それで、良かったんだけどね……。

そ、それ以上は何も望まないって言うかね……。だ、だから……。だからね……。

もしもね? もしも許されるのならば、もう一度だけ……。

そ、そう……。言うなれば、これは償いって言うのと、恩返しみたいなものになるのかしらね?

そ、そう言う意味合いも含めてのお願いって言うの? そんな風に考えていてくれればいいのよ。

どう? 駄目? もしも良ければ……。そう言うことをね……。

どうかと思ってみたんだけど……。って、何か言ってみてね?

そ、そうじゃないと、そ、逆に気まずくなっちゃうかなって思ってみたり……思ったりしたりしたんだけれど。

まあ、やっぱり……、言わない方が良いかもだよね……」

と言ってきた。

なので俺はエルミアにこう言った。

「じゃあ……まずはお互いの名前を呼び合わないか?

そうすればお互いが特別な存在になれる気がしないか?

それに、互いに互いを求め合うように出来るようなそんな関係になれたりすると思うんだよな……。

それに俺はエルミアを愛してるんだよ? だったら別に構わないよ」

「……確かにそれは一理あるかもしれないけど……。

そ、それも……恥ずかしくて、できないよ……。

それに、そんな……その……ふ、不純っていうのかな……。

こういうの…… は。きっと良くないって思い込みもあるの。で、できればやめておきたいとかな……。

違う……。ただ単に臆病になっているだけで……。本当は好きなのに。心が求めているの。

だけど……。今はこれ以上の事を望むのは、や、止めておくことに……してる。

せめて私が自分に対して自信を持てるようになるまでは。それまでの間は、絶対に……。

そんなに……上手くいかないとは、思うのだけども……。

えっと……。今の話は聞かなかった事にしておくれませんか……で、良いですか……っ!?」

そんな言葉を聞いていた俺はエルミアの肩に手を置くと力強く語り掛ける。

118.

「……何を言うんだ。お前は俺にとって誰よりも一番の女性なんだ。

他の誰でもなく。俺自身がそう思える位にな。

何時かは……エルミアの全てを貰いたいな……なんて思うけれども。

でも……それが叶わないって事になってもさ?

それでもいい。俺は君と一緒にいることが出来るのなら。

どんな形であっても、俺には充分過ぎる程だと感じられるようになるだろうし。

それに、仮に離れる事になったとしても……。必ず見つけ出すつもりでいるよ」

俺はエルミアにそう伝えた後にキスをする。

そしてそのまま暫くの間、二人で見つめあったりしながら……。

互いの熱を感じて落ち着くまで待ったのであった……。

するとエルミアが顔を赤く染めながら。俺にこういったのだった。

「あ……あの。こんなことを言うのも変かなと自分でも思っていたりしたんですが。

この際です。ここで伝えさせて頂きたいのです。この前の戦闘の件での出来事があってですね。

……私が寝ている間に襲ったりとか。そういった事はしなかったんですよね?」

と少し不安げに問い掛けてきてくれたので、

「勿論していないとも。むしろあんな事をされて意識の無い相手に行為をするというのは抵抗があったし。

そこまでの事はまだしたことはなかったんだ。悪いんだが何時もしている時のように。

こうして抱きしめ合っているのと変わりが無い行為しかできていない。

ただの添い寝のような感じに近しい物しか出来ていないんだ。そこのところについては信用して欲しい。

だからその。なんと言うかな……。心配はいらないから。

俺はエルミアに嫌がるようなことはしないと約束できるよ」

と伝えるのであった。

エルミアが納得してくれたような表情を見せてから俺は再度、

今度はエルミアから抱き締められてしまっていた。それからしばらくして……。

俺はエルミアから頬に優しく口付けを受ける。その行為が凄く嬉しかった。

俺は思わずエルミアにこう答えてしまうのであった。

「お礼をしなきゃいけないのは俺の方なのにさ。その俺がエルミアにこうやって返してもらうことになるなんて。

エルミア……有難う。

それって……その言葉ってさ……。俺がエルミアに想っている気持ちと

同じ意味で受け取っていいのかな……って。

つまりは、俺のことが好きってことで良いんだよね?」

と言うとエルミアは俺を更に強く抱き締めてから俺の顔を見るとこんな感じで話し出してきた。

「私も貴方のことが大好きですよ! それにこんな事をしたら……。

貴方に好意があると直ぐに分かってしまうものでしょう?

当たり前過ぎますよ……。もう……」

と言うと俺を軽く突き飛ばすと照れた様子を見せてくれる。

そのせいか、少ししてからお互いに笑ってしまう。

その光景を眺めていた俺であったが、俺がエルミアの頭を撫でるとエルミアが笑顔になってくれる。

俺がエルミアの体を抱き寄せるとエルミアが俺の胸に顔を埋めてくる。

俺はエルミアを大事にしてあげようと改めて誓うのであった。

その後、エルミアが俺に甘えてきたせいか……結局、朝食を食べ逃してしまうのであった……。

119.

しかも昼前くらいに起きた為なのか腹が減っていたこともあり食事を取る為に

街に出掛けたのだがそこで事件に巻き込まれることになってしまう……が……そんなこんな

あってもどうにか乗り越えたのだ。

だが……そんな時に……突然エルミアが何者かに襲われてしまったのだ。

何とかしてエルミアを助けたものの……エルミアは酷く傷を負ってしまい……危険な状態に陥ってしまったのだ。

そんなこんなで急いで回復魔法を使うとエルミアは気絶してしまったのだが……。

なんとか無事を確認できたから……安心をした。

その後は……エルミアを背負い家に帰ることにしたのだが……そんなこんなで

色々ありながらも無事に帰宅をすることができたのだ。

家に帰ってからは血だらけになっていた服を脱がして体を拭いたりして綺麗にした。

「うわ……これってかなり汚れちゃってますよ……どうしましょうか……?」

と言われても仕方がないほどに真っ赤に染まっていたし……。

このまま着せておけば汚しそうだし……。

「とりあえず、洗えば問題ないだろうし。俺が後で洗濯をして干すよ」

と言ってエルミアに服を着替えさせた。

そうしていたら何故か……エルミアは俺の寝室に入り込んで着替えを始めた。

一応俺の部屋で脱ぐのは……って言ったのだが。

「まあまあ。ここは私達二人しかいないので気にせずにいきましょう。

大丈夫だから。私に任せて下さいって!」

と胸をドンと叩き頼もしそうなエルミアの様子を見せられたので任せることにした。

そして……エルミアがシャワーを浴びている音が聞こえてきたので

その間に俺はエルミアが居ない部屋の中で汚れてしまったエルミアの分の布団のシーツ等を洗っていくのである。

その後……風呂上がりのエルミアが戻ってきてから……二人でご飯を食べた。

「結構時間が掛かってしまいましたし。夜が遅くなったら迷惑になるんじゃないかと思っていたの。

でも……こんな感じだし。それにこんな風に誘ってくるのはあなたが初めてなの。

だから責任は取ってもらいますからね……?」

と微笑を浮かべて言ってきた。

なので……。

「勿論だよ! エルミアのことを幸せにするから。覚悟していてくれ……」

と答えた。

風呂から出てから再びベッドインした俺はエルミアの全身が映るように映像魔道具を用意しておいた。

その写真を俺が毎日一枚ずつエルミアに渡すようにして残していくのもいいかもと思い始めると、

「やっぱりあなたは……こういう事が好きなんでしょ……? 正直に言いなさい」

と言ってくるので、写真を渡す。

そうしたことをしながらも、エルミアに可愛がってあげると、とても幸せそうに喜んでくれた。

そして互いに果てた後は……俺に抱かれていて心地が良かったのか エルミアは安眠できていたが……。

俺自身は……。その…… 中々と眠れずにいた。

そして明け方に漸くうとうとし始めていたときに夢を見た。

それは……俺が勇者パーティーの仲間の一人であり。

今は追放された男で……。皆に嫌がらせを受け続けていた時の記憶を思い出してしまうものだった。

120.

そんな悪夢を見続けて疲れ切ったのか起き上がれなくなってしまうと……。

「どうしたの? 酷い汗みたいだけど。それにうなされていたようだったけど?」

とエルミアが心配をして声を掛けてくれていたので俺はエルミアを強く抱きしめる。

そして

「すまない。エルミア……暫くはこうさせて欲しいんだ」

と弱音を吐いた。

するとエルミアは……。

「分かりました。だから……貴方の気が済むまで……ずっとこうしていますから。だから落ち着いてね」

と優しい言葉を言って受け入れてくれたのだった。

そんなやり取りを終えてから俺は、エルミアとの幸せな生活を続けていくことになったのだ……。

ちなみに……あれから一週間経った頃、今でも最強な俺はその実力を隠し通しながら、

エルミアと幸せな暮らしをしているのですが、俺とエルミアの住処は村から少し離れた森の中でひっそりと

暮らしているのだが、二人で暮らしていると毎日が楽しく、本当に笑顔が絶えない。

「おはようございます、旦那様♪」

「ああ、今日も一日よろしく頼むな、エルミアっ!!」

と互いに挨拶を交わしあう俺たちは、傍から見たとしても夫婦にしか見えないだろうなぁ……と

思うようになってきていたりするんだよね。

最近はエルミアのお陰もあって、家の周辺にある魔物達の数も減っていて

安全になりつつあるのは良い事なのだけれど、同時に困った事も出てきたりもしているんだよな……と言うのも、

俺達が住んでいる森には様々な種類の動物がいる訳だけど、

その中にゴブリンやオークといった人間族の姿にも似た種族が存在しているんだけども、

「この子達は私の可愛いペットさんです」

と、エルミアが連れてきて懐かせてしまっているんだよ……。

それでだ。その愛玩用の獣人種やエルフみたいな姿形の奴らをエルミアは俺の前で見せつける様に撫でたり、

じゃれあったりしているんだよ。

そう言う姿を見せつけられたらさ。

その……。

エルミアの柔らかそうな乳房や、ぷるんとした唇が……。その…… 欲しくなってしまうんだよ……。

って事でだ。

「エルミア、今晩あたりも……。良いかな……? お、お願いしたいんだ」

と俺はエルミアに懇願をする。

そう言われたエルミアは、俺の耳元で囁きながらこんな事を返答してきた。

「はい。今夜も……ですよ……? 一緒に気持ち良くなりたいですね……♥」

とエルミアは妖艶に答えてくれた。

そうされた俺は、その夜の情事を想像してしまい、下半身に熱を帯び始めたので、

お手洗に行くために外に出ようとすると、エルミアも一緒についてきた。

俺の体の事を気遣ってくれているようで、こういう時はいつもついてきてくれる。

俺はエルミアと一緒に、近くの川に行って水浴びをしていた。お互いに水着姿になってさ……。

その後……俺は……。我慢が出来なくなった状態でいた為にそのまま欲望の赴くままに求めてしまった。

するとエルミアはそれを受け入れて受け止めて……。

そのまま何度も互いを求め合った後にまた交わり合い快楽を共有しあったりしてから

眠りにつくまでイチャイチャしたりしていたのだが……。

俺はそういう時に自分の妻となったエルミアを愛しく思いつつ思う。

(絶対に……誰にも渡さないよ……。エルミアだけは……。例え相手が強くて勝てそうになくても……。

どんな手段を使ってでも……。たとえ、それが……。俺の命を失う事になったとして、も……)

と。そんな事を思っていた……。

あの後……。あの事件の翌日から数日間は俺とエルミアは家の中に篭もりきりで過ごすことになってしまった。

だが、それから三日が経つ頃には、俺もエルミアも大分元気を取り戻していた。

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