6.

16.

そうすればそのうちにきっと伝わるようになると俺は考えた。

そこで、まずは自分の指をさしながらゆっくりと喋る。

次に同じようにやってもらいながら自分も同じ言葉を言ってみる。

それからゆっくり発音しながら自分が言えた分だけ、俺も繰り返していった。

(とりあえずこれくらいでいいかな?)

そう思ったところで次は簡単な単語から順番に説明をしていく。

まずはあいさつを覚えてもらって、少しずつ会話が出来るように頑張ってもらおうと考えていた。

そうしているうちに時間はあっという間に過ぎていき気がつけば日が傾き始めていた。

そろそろ切り上げることにしようとしたその時、ふと気になって聞いてみた。

俺は最後にどうしても気にかかった事をきいてみる。

「あの……俺の事好き?」

俺の質問に不思議そうな表情をする。

俺は自分の事が好きかどうか聞いたんだと伝えようとすると、

やっと伝わったようで少し照れながらも返事をくれた。

俺は嬉しくなり、ありがとうと言って 頭を撫でてから抱き寄せた。

その日の夜は、 俺は久しぶりに一人で眠る事になった。

俺はベッドの中で目を瞑り、色々なことを考えながら眠りについた。

翌朝、俺はいつものように目が覚めるとミハルの姿はなかった。

俺は起き上がると服を着替えて、荷物をまとめて 宿屋の部屋を出た。

俺は、食堂でミハルが来るのを待つとしばらくして やって来たので席に着く。

俺はミハルに

「おはよう」

と言うとミハルも笑顔で答えてくれ 俺の向かいに腰掛けた。

俺とミハルは二人で宿を出ると 街の中央広場へと向かう。俺はそこに向かう途中、市場により食材を購入した。

ミハルはその様子を嬉しそう見ている。俺はそれを横目に見ながら歩くと

やがて目的地である中央通りが見えてきたので

ミハルに声をかけて先へ進む。

俺はこの街に来てからはなるべくミハルの手を繋いで行動するようにしてみた。

俺は少しづつではあるが慣れてもらう為にそうしてみた。

ミハルが恥ずかしいと言っていたが、

「人混みの時はぐれたら危ないですよ」

と説得すると納得したようだったのでそうした。

しばらく歩いて行くと 大きな噴水のある場所に着いた。

ここは俺とミハルが出会った所であり、俺が初めて冒険者になった場所である。

俺達はここに来るまでにいろんな店で買い出しをしていたのでかなりの大荷に

なっていたので休憩するのにも丁度良かった。

俺は近くにいた 男性に声をかけた。

男性はどうやら道に迷っていたらしく案内すると感謝されてお礼として昼食に誘ってくれたので

俺とミハルはその誘いを受けることにした。

俺は男と一緒に食事をした。彼はこの町に住んでおり、商人をしているという事で

様々な商品を見せて貰ったりしていた。

17.

俺達は、彼の店に行くことになったが彼が俺達に見せたくて仕方がないといった様子で俺達を連れて行くので、断ることも出来ずに彼に付いていく。

俺達は彼に連れられて、とある建物の中に入っていった。

そこは酒場の様になっていて、中には大勢の人が酒を飲んでいるようだ。

俺達は、カウンターに座ると飲み物を注文した。

男は俺達の座った隣の椅子に座ると、 俺に話しかけてきた。

俺は男の話を聞いていたが、 男が俺に色々と話しかけてくるが何を言っているのかさっぱり分からない。

俺はミハルを見ると、ミハルは俺に微笑んでくれて、俺の視線に気づくと首を傾げていた。

俺はミハルに笑いかけると、ミハルは俺に微笑み返してくれた。

俺とミハルはお互いに顔を見合わせて笑っている。

すると、俺の隣に座っていた男が、俺とミハルの様子を見て驚いている。

「おい、あんたら言葉が分かるのか?」

俺とミハルはお互いを見つめ合うと俺はミハルに、ミハルは俺に言った。

「はい分かりますよ」

俺とミハルは同時に答えると、俺とミハルはまた顔を見合わせると二人共自然と笑顔になってしまう。

そんな俺達の様子を目の前にいる男が驚いた表情で見ていた。

俺とミハルはその後、 彼と楽しく食事をしながら過ごした。

そうしているといつの間にか時間が経っていたので俺達は帰る事にした。

俺とミハルは男に別れを告げると店を後にした。

俺達は宿屋に戻る事にした。

俺とミハルは宿屋に戻ると早速、俺は部屋に戻り 魔法を発動させる準備に取り掛かった。

俺は部屋に入るとすぐに準備を始める。

俺が魔法を使おうとしたのには理由があるのだ。

俺は王都に向かう前に一度、自分だけで戦ってみるつもりで、

俺は剣を練習してみたがなかなか上手くいかないのだ。だから今日試してみたいと思ったのだ。

俺は部屋の真ん中に立ち精神を集中させて イメージを膨らませる。

すると俺の足元に大きな円状の陣が描かれていきそれが青白く輝きだした。

そうしていると突然、俺の周りに大量の水が溢れ出して渦を作って回転を始めたのだ。

そして水の動きが激しくなり回転するスピードが上がりだした瞬間、

「ウォーターバースト!」

俺の声に呼応するように水の勢いが増すと俺を包み込んだ。

そして凄まじい圧力と共に巨大な竜巻が発生したのだった。

(これは凄いな……)

俺の魔法の威力を目の当たりにした俺はそう思ったのだった。

俺とミハルはこの前の一件以来かなり仲が良くなっていた。

俺はミハルに、

「一緒にお風呂に入りましょう」

と声をかけるとミハルは真っ赤な顔をしてうつむいていたが、やがて小さくコクりと首を振る。

俺とミハルは二人でお湯に入る事にした。

ミハルは相変わらず、俺と入るのをためらう。

俺はミハルを無理やり連れて浴室に入ったのだが恥ずかしさからなのかずっと俯いて俺の方を向こうとはしない。

そんなミハルの後ろ姿をみていると何とも言えない感情が沸き起こってきてしまった。

俺は思わず手を伸ばしてしまう。俺の手がミハルのお尻に触れてしまう。

18.

「ひゃっ」

いきなり触られたことでビックリしてしまったのか、ミハルの体が跳ねるように動いたが、振り向くことはなく俺の方を見ようともせず体を硬くしているだけだった。

俺はそのまま手を伸ばすとミハルのお腹をゆっくりとなでていく、

するとミハルは少し体を動かして逃げようとしたようだったが、

俺の手を振り払うことなく耐え続けていた。

俺はそんなミハルの反応を見て少しだけ興奮してしまうと俺はそのまま胸元にゆっくりと手を移動させる。

俺がミハルの乳房に手を伸ばした時、急に俺の方に振り返ってきた。

そして俺の目をまっすぐに見つめてくる。

「ユウトさんの……バカぁ……私もう出たいです……のぼせちゃいますぅ……」

と頬を赤く染めて潤んだ瞳で俺を睨みつけてきた。

俺はミハルの表情を見た時に俺の中の欲望が抑えられなくなりミハルを押し倒そうとするがミハルは、俺を力いっぱい突き飛ばしてきた。

俺とミハルはバランスを崩してしまい床に転ぶ。

「キャッ」

ミハルが可愛らしい悲鳴を上げるが俺は起き上がりミハルを見る。

するとミハルも起き上がろうとしているのが見えたがミハルは俺を睨みつけて、立ち上がって歩き出した。

俺は慌てて立ち上がりミハルの背中に声をかける。

するとミハルが立ち止まってくれたのが分かったので、俺はもう一度ミハルに近づいて行く。

ミハルは、まだ怒り心頭といった雰囲気を出しているので、俺が話しかけようとすると、先にミハルが口を開いた。

どうやら少し落ち着いてくれたようなので俺は安心する。

俺は、ミハルに怒られて落ち込んでいた事を話した。

「私は怒ってなんかないです」

そう言いながらそっぽを向いてしまった。

俺は、そんなミハルがとても可愛いと思ってしまい抱き締めたくなってしまったので

そっとミハルに近づくが またしても、今度は本気で嫌がっているのが分かるぐらいの勢いで、ミハルに思いっきり拒否されてしまう。

「ダメです。それ以上近づかないで下さい! 絶対にだめ!!」

ミハルは必死の形相で俺に言う。

俺が困ったように苦笑いを浮かべながら後退りしていく。

それに気付いたのか

「あっ、ごめんなさい。つい……。でもお願いだから今は駄目なんです」

と申し訳なさそうな顔になり、俺に向かって言ってくる。

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