【17/30】Q.運営の話

 すごいテクノロジーですよね、〈防腐処理〉。

 どっから仕入れてきた技術なのかな。このゲームの〈運営〉って、どんな組織なんでしょうね……。


 ……この話、アウトですか?

 まだセーフ? じゃあ、続けますけど……やばくなったら、そこで映像切ってください。


 このゲーム、興行物だって話はしましたよね。

 ということは、当然、それを運営する組織があるわけです。

 ただし……その存在は謎に包まれてします。そりゃそうですよね。殺人ゲームの運営なんですから。一般にオープンなわけがありません。


 運営についてわかっていることは、プレイヤーである私の視点でも、あまり多くありません。

 かなりの規模があるということは、おそらく確実でしょうね。〈防腐処理〉のことはもちろん、ゲームの会場の設計、手配……ゲーム終了後の医療的サポート……ゲームの存在を隠蔽する工作……いちプレイヤーに一人、専属のエージェントをつけたりとか。業務は困難かつ多岐にわたります。そんじょそこらの団体にできることではないですよ。

 また、その運営目的も不明です。お金——は、当然そのひとつなんでしょうけどね。いくら不景気だからって、儲けるためだけにここまでやるとは思えません。ほかにもなにかありそうなんですが……。


 いつから運営があって、ゲームが行われているのか。それもわかっていません。

 私の知る限りでは……そうですね。師匠から聞いたことで、私自身は与太話だと思ってるんですけど——

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る