【10/30】Q.課題の話

 プレイヤーの世界には、師弟制度があります。

 どこの世界にもそういうのはあるんでしょうけど、ことゲームにおいては特に大事ですね。なにせ、かけているものが命ですから……。自分で失敗を繰り返しながら学ぶわけにはいきません。人から人へと、生き残りのノウハウを伝えていくことで、プレイヤーの技術は発展してきたという歴史があります。

 だから私も、誰かに技術を伝えるべきなんでしょうけど……その気が起こらないというのが正直なところです。


 なんでなのかな、と考えたことはあるんですけど。

 たぶん、責任を負いたくないんだと思います。

 命懸けのゲームの〈師匠〉なんて、責任ある立場の最たるものじゃないですか。師匠がどんな指導をするかが、弟子の生存確率に直結するわけです。もしも私がいいかげんなアドバイスをして、それで弟子が死んじゃうってことになったら……そりゃあ、責任を感じますよね。

 元々、人付き合いって得意じゃないんですよ。たわいもない話をしたり、一緒にどこか出かけたりとかはできるんですけど……それ以上のことはどうも、昔からうまくいかなくて。だからこそ、一人でもやれるプレイヤーの道を選んだところもあって……。他人と深く関わるのは、避けたいという気持ちがあります。


 幸い、弟子入り志願をしてくる人もいないので、独り身でやってますけど。

 でも、師匠からは教えてもらったっていうのに、誰にもその知識を伝えないっていうんじゃあ、筋が通らないですからね。いつかは誰かを弟子に取らなきゃいけないなあ、とは思ってるんですけど……なかなか、その勇気を持てないでいるのが現状です。


 課題だよなあ、と思ってます。

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