【2/30】Q.いちばんきつかったゲームの話
二十七回中、いちばんきつかったゲームですか?
なんだろう。難易度的には、やっぱり一回目のゲームじゃないですか。さっきお話しした、アスレチックのやつ。経験ゼロの状態なわけですからね。生き残りの確率という意味でいえば、あれがいちばんの難所といえましょう。
それ以外でいうなら……そうだな。過去に一回、両手両足全部やられたゲームがあったんですよね。
時代劇がテーマのゲームでした。プレイヤー同士、刀で切り合うんですよ。漫画とかドラマとかで話には聞いてましたけど、刀ってのは切れ味すごいんですね。手も足も、両方ばっさりいかれちゃって。全然戦えなくなりましたよね。足のほうは膝から上が残ってたんで、それ動かして逃げ回ってなんとか生き延びたんですけど。ピンチってことでいえば、あれがいちばんだったかな……。
え? ……ああ、そっか。
手足が治ってるのはですね、〈防腐処理〉っていうのがあって……。私たちプレイヤーは、普通の人よりちょっと頑丈にできてるんですよ。スーパーマンってほどではないんですけどね。手足を切られても、わりと簡単にくっついてくれるんです。
確かこれまでのゲームで、手も足も三回ずつぐらい離れてるんじゃないかな。これからもたびたび離れると思いますよ。
そんなところでしょうか、きつかったゲームの話は。
でも、あれですよね。今までのどんなゲームよりも、次のゲームがもっとしんどいと思いますね。プレイヤーたるもの、次がいちばん難しいと思ってやるべきでしょう。苦労を乗り越えたからって、油断しているようじゃいけません。
……おっ、これはちょっといいこと言ったんじゃないですか? ねえ?
あ。エージェントさん、ここの映像は使っちゃだめですよ。この発言を含めたらだいなしですからね。ここはカットしてくださいね。お願いしますよ。
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