幽鬼へのインタビュー/他プレイヤーから見た幽鬼【『死亡遊戯で飯を食う。』刊行記念】

鵜飼有志/MF文庫J編集部

【0/30】ご挨拶

 ……えーと、それで、なに喋ればいいんでしたっけ。

 おお、フリップまで用意してるんですか。準備いいですね……。


 ……はじめまして、幽鬼ユウキと言います。

 幽霊の幽に鬼と書いて、幽鬼ユウキです。こんなのもちろん本名なわけがなくて、仕事中に使ってる通り名です。見ての通り、幽霊みたいな風貌してるんで、こういう名前になりました。


 プレイヤーをやってます。この、今、カメラ回してるエージェントさんが招待してくれる〈ゲーム〉に参加して、賞金を得て生活してます。

 ゲームっていうのはその、eスポーツとかギャンブルとかではなくて……人が死んじゃうタイプのやつです。殺人ゲームですね。漫画とかドラマでよくあるやつを、想像してもらえれば事足りると思います。殺人トラップまみれの建物から脱出したりとか、ほかのプレイヤーと殺し合って生き残るとか、おっかない化け物に殺されないよう逃げ回るとか……。そういったゲームをこなして、飯を食っているわけです。

 さっきちょっとしゃべってましたけど、今が二十七回クリアで、もうそろそろ三十回が近いです。自分で言うのもなんですが、ベテランの部類に入ると思います。

 三十回が近いから、ということで、このようなインタビューの機会をいただくことになりました。


 なんでそんなことしてるの? と思われるかもしれません。

 ゲームの結果如何では、死んでしまうこともあるわけですからね。生業にするには、どう考えても割に合わないでしょう。

 じゃあなんでやってるのかと聞かれると困るんですけど……。なんでしょうね。この世には、そういう道でしか生きられない人もいるんです。麻雀漫画の代打ちみたいな感じでしょうか。破滅と隣り合わせの環境でないと、うまくやれないんですよ。

 そういう人もいるのだ、と納得してもらえれば、幸いです。

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