第4話 そして神官へ。

さよの神官転職に必要なアイテムを取得するために、さよ、花、そしてリュウジの3人一行は街の近くのダンジョンへ向かっていた。


(そういえば…わたし、リュウジさんの事全然知らないや。…なんか鱗の…肌?ヒトなのかな?)


さよがリュウジの事を見ながらアレコレ考えていると、リュウジも視線に気づいたのか、


「どうした、さよ殿」

(殿!?)「え、え~っと…立派な装備ですねっ!」

「これも仲間を護る為だ」


「着きましたよっ!ここが件のダンジョンです!」

道案内を済ませ、ふんすっとドヤ顔でこちらを見てくる花。可愛い。


中はコォォォォォ…と不気味な雰囲気をしていた。


「だ、大丈夫でしょうか…??」

(今からでも街に戻りたい…うぅ。)

完全に雰囲気に負けて弱弱しくなっているさよ。


「大丈夫ですよ!なんたってリュウジさんが居るんですから~!」

花が自慢げに言う。確かに頼りになりそうではあるが…。


「この程度のダンジョンなら問題ない…だがさよ殿、あまり拙者から離れぬようにな。」

「は、はい…。」


道中。次々と敵を蹴散らしていくリュウジ。

「すごい…。」

「私もいっきまっすよ~!」

「へ?花ちゃん?」


すっかり非戦闘要員かと思っていた花が隣で弓を構えている。

「それっ!」


放たれた矢は魔物に見事命中し、倒れ伏せた。

「おーすごいー!」

「えへへー。やりました!」


そんなこんなで順調に進んでいった先で…

「あ、あれじゃないですか!?」

花が見るからに珍しそうな祭壇に登っていく。

「ありましたあ~~!!」

そして遠くからなんか叫んでた。

「やれやれ…ともかく、危険はないようだ…」

リュウジも若干呆れ気味。

「あはは…」

さよも安堵して、一行は街に帰るのであった。



たまり場にて…

「ただいま、帰還いたしましたっ」

花が元気そうに宣言する。

「おーう、お疲れお荷物。」

「扱いがひどいですっ!」

相変わらずの月詠と花だった。


「さよは?」

「神殿に転職に向かわれました~。」

「…特に何事もなかったぞ。」

「おう、サンキュな、リュウジ。」



神殿では。

「そなたの転職を認める…」

「あ、ありがとうございますっ!!」

「これは餞別じゃ。励むがいい。」


自分の体がぱあっと光ったと思うと、次の瞬間には、手には杖、服は法衣になっていた。なんか力が湧く気がする!



早速たまり場に報告しに行くさよ。

「ただいまです!無事なれました!神官!」

「おう、これで戦闘が楽になるな」

「おめでとうございます~!」

「…似合ってるぞ。」


各々に賛辞を受け、


「ありがとうございますっ!皆さんのおかげです~。頑張ります!」


と、気合を入れるさよだった。

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