俺は好き
茶遊斗
第1話 別れ
「そら〜、部活終わったら一緒に帰ろうぜ」
「ごめん、今日は用事があって、もう親が迎えに来てるんだ」
「そっか、じゃあ、また明日な」
「・・・うん」
彼女は走って行った。
一人で歩いて帰っていると、公園の前に彼女が見えた。
「そらー」
彼女は一瞬こっちを見た気がしたが、走って行ってしまった。
(人違いかなぁ)
家に着いて、俺はそらにメッセージを送った。でも、いくら待っても返事が来ない。
結局朝になっても返事は来なかった。
朝学校で彼女を見かけた。
「そら、おっはよ〜!」
「あ、おはよ、」
「そういえばさ〜」
「ごめん!まだ昨日の課題終わってないだ。だからまた後で話そ。」
「お、おう...」
また彼女は走って行ってしまった。
教室に着いて、椅子に座っていると、親友のともきがこっちに来た。
「おい!ゆうた、なんか元気ないじゃん」
「別に、元気だけど」
「ふーん、まぁなんかあったら言えよ?この聞き上手のゆうた様が聞いてやるからよ!」
「わかりましたー」
でも元気がないのは本当だ。なんか今日は元気がでない。
昼休み、俺は彼女の教室に行った。
教室を覗いたら彼女の親友のみさきがこっちに気がついた。
「ゆうたじゃん、どうした?」
「そらと話したいんだけど、」
「(ニヤァ)ちょっとまっててね」
彼女が来た。
「なに?」
「いや、今日は一緒に帰れるかなぁって」
「・・・」
「無理?」
「今日友達と帰る約束してて、」
「なぁ、最近俺のこと避けてる?」
「・・・避けて、ないよ」
「そっか、じゃあ夜メッセージ送る」
「うん、」
夜、彼女にメッセージを送ったが、また朝になっても返信はなかった。未読のままだ。
朝、学校に行く途中で彼女と会った。
「おはよ」
「おはよ」
「昨日、何でメッセージ見てくれなかったの?」
「・・・ごめん、寝ちゃって見れなかった」
「やっぱり、俺のこと、避けてるよな?何で?はっきり言ってよ!」
「じゃあ、正直に言う。わたし、ゆうたと別れたい。」
「え、?別れたい?俺なんかした?」
「ゆうたといると、なんだか辛いんだ。だからわたしと、別れて欲しい。」
「・・・わかった。辛い思いさせててごめんな。でも、そらと過ごせた時間は本当に幸せだった。ありがとう。」
「うん、ありがと」
「じゃあ、俺、先に行くな。」
「うん」
俺は走って学校に行った。
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