第2話  忘れたい

学校についた。俺は汗だくだった。なんだか目があつい。

でも、なにか、冷たい物が頬を伝って落ちていく。

「おい!ゆうた!どうした!?」

「何が?」

「だってお前、泣いてるぞ?」

「え?」

俺は、泣いていた。

「何があったんだ?」

涙を拭いて俺は言った。

「俺、そらに振られちゃった、はは...」

「は?なんでよ?え、だって、お前らいい感じだったじゃん」

「俺といると辛いんだってさ」

「辛いって、え、でも、なんで、」

「もう、いいよ。大丈夫だから、今は一人にさせてくれ」

俺は無理やり笑顔を作った。

「分かった。でも、無理やり笑うのはやめろよな。泣きたい時は泣け」

結局その日は早退をした。それで、家に帰って思いっきり

泣いた。


次の日はいつもとは違う道で学校に行った。

学校に着くと、ともきがすぐこっちに来た。

「おっはよーー!!」

「おはよ。朝からお前うるさすぎ。」

「良いんだよ!ゆうた今日一緒に帰ろうぜ!俺、部活オフだから」

「めずらしいな。まぁ良いけど」

帰り道俺たちはコンビニでアイスを買った。

「お前と帰るの久しぶりだな」

「それな?だってゆうたいつもそらと帰ってたから」

「・・・だな、でも、これからは一緒にかえれるぜ、」

「おう、なぁゆうた、」

「ん?」

「ゆうたは良いのか?」

「何が?」

「そらの事」

「・・・」

「ゆうた、めっちゃ好きだったじゃん!そらの事。なのに諦めちまうのかよ?俺、お前があんなに悲しい顔するの初めて見たぞ?中学の卒業式でもあんな顔してなかったぞ?それなのに、」

「もう良いよ!良いんだよ!俺は、もう忘れたいんだよ!」

俺は人生で初めてなくらい大きい声を出した。ともきは驚いていた

「そうなのか」

「うん、ごめん、俺、先帰る」

「あぁ、また明日な」

俺はまた走った。

家に着いて、すぐに自分の部屋に入った。

忘れたい。忘れたいのに、ふとするとそらの事を考えてしまう。

そして、心が痛くなる。そらが俺以外の男子とデートしてるとこ、一緒に帰ってること、考えたくもないのに考えてしまう。

「忘れたい、でも忘れられない、それくらい俺はそらの事が好きなんだよ...」

俺はまた泣いてしまった。


頼むから頭から出ていってくれ...

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